「夏にスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)」は超危険!? なぜダメなのか、デメリットと対策を徹底解説
「冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を夏も履きっぱなし」にしている人はいませんか。一見問題ないように思えるこの選択には、実は大きなリスクが潜んでいます。この記事では、スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)を夏に使用する危険性や、具体的なデメリット、そしてタイヤ保管場所がない場合の対策について、わかりやすく解説します。
スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)を夏に使用する問題点と対策
夏の季節になると、タイヤ業界では冬商戦を見越してスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)の新商品発表が活発になります。
そんな中、スタッドレスタイヤを履き替えず夏も使い続けるドライバーがいるようです。では、スタッドレスタイヤを夏に使用するとどのような問題となるのでしょうか。

2025年の夏も各社からスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤが発表されました。
2025年7月15日にブリヂストンは、スタッドレスタイヤ「BLIZZAK WZ-1(ブリザック ダブルゼットワン)」を発表、同月17日に横浜ゴムはスタッドレスタイヤ「iceGUARD 8(アイスガードエイト)」を発表済みです。

そんなスタッドレスタイヤは冬に本領発揮しますが、なかには冬が終わってもそのまま履き続けるユーザーも。では、スタッドレスタイヤを夏に使うことの問題点とはどのようなものなのでしょうか。
まずスタッドレスタイヤは、サマータイヤに比べてドライやウェット路面での性能が劣ってしまいます。
スタッドレスタイヤは、路面を掴むため、タイヤ表面のトレッドに「サイプ」と呼ばれる細かい切り込みが入っています。また、アイスバーンでもしっかりと路面に密着するため、ゴムが柔らかい特殊なゴムを使用しています。
このため乾燥路や濡れた路で使用する場合は、汎用タイヤに比べて制動距離が長くなりスリップしやすくなり、汎用タイヤ(ノーマルタイヤ)よりハイドロプレーニング現象やブレーキ性能低下するといった問題が発生します。

特に雨で急にブレーキを踏んでいるような状況において、サマータイヤならともかくブレーキでなんとか止まれたとしても、スタッドレスタイヤでは制動距離に差が出るため危険です。
またスタッドレスタイヤは夏に使用すると摩耗が早まります。スタッドレスタイヤは特殊なゴム素材を使用しているため、汎用タイヤに比べてゴムが柔らかいので、夏に使用すると汎用タイヤより摩耗が早くなるとされています。
これによりタイヤの寿命が短くなり、経済的な負担が大きくなります。
タイヤは法律上、溝の深さが1.6mm以上必要ですが、スタッドレスタイヤは溝の深さが50%に達するとプラットホームが露出し、冬用タイヤとしては使用できなくなります。またスタッドレスタイヤは溝の深さが新品から50%減少すると冬用タイヤとして使うことができません。
しかしユーザーのなかには「タイヤを履き替えたいけど、保管するスペースがない」ということもあり、その場合はオールシーズンタイヤを選択するという方法も。

オールシーズンタイヤは、アイスバーンなど冬の過酷な路面状況での性能を確保しながら、ドライやウェット路面、耐摩耗性能も向上させたタイヤです。
サマータイヤがスリップしてしまうようなシャーベット状の雪でも走行可能で、「スノーフレークマーク」の認証を取得した商品は、「冬用タイヤ規制」がかかっている道路でも通行できます。
気温差が大きく降り込むことのない平野部などで「年間を通して対応したい」というユーザーには、有力な選択肢になるはずです。
ただし、オールシーズンタイヤは北海道や東北、日本海側の雪国では、安全面を考慮すると冬はスタッドレスタイヤを履かなければなりません。また、オールシーズンタイヤは、「凍結路での性能」がスタッドレスタイヤより劣るケースがあるため、環境に合わせて適切なタイヤを選ぶことが重要です。

※ ※ ※
スタッドレスタイヤを夏に使用することは、安全性とコスト面から推奨できません。
タイヤの保管場所がない場合はタイヤ保管サービスの利用を、または使用環境に応じてオールシーズンタイヤの導入を検討することをおすすめします。
クルマのライフスタイルに合わせたタイヤ選びが、安全で経済的なカーライフにつながります。
Writer: くるまのニュース編集部
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