日産の新型「エルグランド」まもなく公開! 元祖「ミニバンの帝王」16年ぶり全面刷新で「アルファード」を倒す! 「対抗策」は伝統と「スゴい技術」で実現!?
日産は2025年4月、新型エルグランドの一部デザインを公開し、2026年度に発売予定であることを明らかにしました。およそ16年ぶりのフルモデルチェンジで、どのようなクルマに進化するのでしょうか。
新型「エルグランド」が最上級ミニバンとして復権する日
日産のフラッグシップミニバンといえば「エルグランド」。トヨタなど他社に先駆け、1997年に“元祖”高級ミニバンとして初代が誕生しました。
現行モデルは2010年から活躍し続ける3代目で、そろそろフルモデルチェンジの時期を迎えています。
次期型エルグランドを考えるうえで、知っておかなければならない1台のクルマを通じて、その未来像について予想していきましょう。
![4代目の新型「エルグランド」は「JMS2025」で初公開か!?[2025年4月に先行公開されたティザー画像より]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/08/2050806_NISSAN_NEW_ELGRAND_000.jpg?v=1754468980)
2023年秋に開催の自動車ショー「ジャパンモビリティショー(JMS)」に登場した、日産のコンセプトカー「ハイパーツアラー」。
日産ブースには4台のEVコンセプトカーがありましたが、ハイパーツアラーはその中でミニバンタイプのボディを持っているクルマでした。
ハイパーツアラーは、おもてなしの精神や上質さと自動運転などの先進技術を融合したプレミアムEVミニバン。
プライベートの旅行やビジネスでの出張などを問わず、車内で過ごす時間を楽しみ、同乗者との絆を深めることができるという空間設計がなされていました。
エクステリアデザインは、シグネチャーランプやヘッドライトが非常に特徴的で、組木をモチーフにしたホイールデザインも美しいです。
日本の伝統美を表現する滑らかなボディパネルとシャープなキャラクターラインで構成され、空力性能を高めつつ未来的なイメージを与えましたが、一方でどこか歴代エルグランドの系譜も感じさせる巧みな仕上がりでした。
EVミニバンとしては、様々な部品を小型化して全個体電池を組み合わせることで、広い室内空間を実現しています。
重心の高いミニバンでも超低重心を実現し、さらに電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を組み合わせることで、滑らかな加減速と体験したことのないフラットな走りを生み出しました。
インテリアでは、フロアにLEDパネルを配置するなど独創的な空間を演出。360度回転するフローティングしたシートや、バイオセンシングなどの新しい機能を採用して、快適な移動体験が約束されるでしょう。
快適な乗り心地に加えて、完全自動運転技術が加わり、自動運転中は運転席と助手席を180度回転させて、後席との対面での会話を楽しむことができます。

さて、現在のラージサイズミニバン市場はトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」がほぼ独占している状況にあります。
エルグランドも改良を重ねているとはいえ、前述の通りおよそ15年にわたって継続販売されており、早期のフルモデルチェンジが待たれていたところです。
そんななか日産は、2025年4月に実施されたイベント「NISSAN START AGAIN 2025」で、新型エルグランドの一部デザインを公開し、2026年度に発売予定だと明らかにしました。
ほぼシルエットしかわからないティザー画像でしたが、全体のフォルムや一部見えているディテールなどから、2023年のハイパーツアラーのデザインがベースとなっていることが伝わってきます。
フロントマスクやテールデザインはハイパーツアラーの雰囲気を残しつつ、市販モデルとして成立するデザインへと進化させていました。
新型エルグランドに搭載されるパワートレインは、ハイパーツアラーのような100%モーターとバッテリーではなく、第3世代の「e-POWER(ハイブリッド)」であることが明らかにされています。
1.5リッターエンジンとモーターやインバーターなど5つの部品をモジュール化することにより、軽量化された「5-in-1」を採用し、大幅な静粛性と燃費の向上を実現しました。
とくに、従来e-POWERが苦手とされていた高速燃費の改善がなされているという点で、大いに期待がかかるところです。
加えて今後EVモデルも展開されれば、アルファード/ヴェルファイアとは大きく違うラージサイズミニバンのカタチを示すことも出来るでしょう。ハイパーツアラーで提案されたEVという選択肢は、この先の新型エルグランドのカギを握りそうです。
キング・オブ・ミニバン奪還のため、日産も動き出しています。

なお発売に先駆け、2025年後半には新型エルグランドの実車が先行公開される予定です。
折しも2025年秋には「JMS2025」が開催されることから、ここで大々的にお披露目されることが予想されます。
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2010年以来、およそ16年ぶりにフルモデルチェンジを行うエルグランド。
ハイパーツアラーで提案されたプレミアムな質感が現実のものとなり、美しいホイールデザインなどが市販モデルにも残ってこれば、ラージサイズミニバン市場をけん引できる存在になるはず。
高級ミニバンの元祖エルグランドは、アルファード/ヴェルファイアとは違う唯一無二の個性を出しながら、新型で完全復活するでしょう。
Writer: 赤羽馬
金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。





























































































