2025年10月に、ふたたび「ジャパンモビリティショー（JMS）」が開催予定です。2年前の2023年回も「ショーイヤー」として、さまざまなコンセプトモデルが披露されたのも記憶に新しいところ。

　そして、2023年のJMSで展示していたコンセプトモデルのなかで目立っていたのがトヨタ「ランドクルーザーSe」。

　簡単に言えば「ランドクルーザー」のBEV（バッテリーEV）モデルというコンセプトなのですが、このモデルの市販化はあり得るのでしょうか。

　ランドクルーザーSeはコンセプトモデルであるため、明確な市販時期などは公開当時から今に至るまで、全くアナウンスされていません。

　しかし、ボディサイズなどの一部諸元は明確に公表されており、市販化の可能性が高いと思わせるコンセプトモデルであったのも事実です。

　公表されたボディサイズは全長5150mm×全幅1990mm×全高1705mm、ホイールベースは3050mm。乗車定員は7名です。

　ただし、ここ最近で「コンセプトモデルが市販化につながった」というトヨタの流れを見てみると、直近での市販化の可能性は正直あまり高くないのではないかと思われます。

　そう思わせるのがランドクルーザーSe公開2年前、2021年12月に開催されたトヨタの「バッテリーEV戦略に関する説明会」です。

　この時はサプライズで11台のBEVコンセプトモデルが公開されましたが、このサプライズで公開されたモデルには、トヨタ「クラウンスポーツ」など、のちに市販化されたものと似ているデザインのものがいくつもありました。

　2023年のジャパンモビリティショーで登場したランドクルーザーSeを見てみると、この時の説明会には並べられてなかったデザインとなっていて、クラウンスポーツのように、当日並べられていたデザインのクルマが市販化していった経緯を考えると、ランドクルーザーSeの市販化はまだ先なのでは、とも思ってしまいます。

　ただ、ランドクルーザーSeがもし市販モデルとして登場するならば、トヨタのクロカン（本格四輪）BEVモデルのスタンダードとなるメカニズムを搭載したものとなるのではないでしょうか。

　トヨタはこのランドクルーザーSe以外にも、「EPU」というピックアップトラックのBEVコンセプトモデルを展示していました。

　両車の共通点はモノコックボディということです。タフなラダーフレームを用いることが一般的なクロカンモデルやピックアップトラックに、乗用車と同様のモノコックボディを採用するのは否定的な声も上がりそうですが、この2モデルでプラットフォームを共有しているという未来もあるのではないでしょうか。

　そう考えると、トヨタはタフな走行と使用にも耐えられる、モノコックボディのBEVプラットフォームを開発している最中…という可能性もありそうです。

　BEVは高級モデルを中心に展開されることが多いですが、ランドクルーザーの世界的なブランド力を考えると、タフなオフロードBEVモデルはランドクルーザーSeからスタートするという未来も考えられます。

　今後の動向に注目しましょう。