199万円! トヨタ「“いちばん安い”シエンタ」がスゴい!? 前後LEDランプ×片側電動スライドドア搭載! 全長4.2mでちょうどいい「5人乗りコンパクトミニバン」とは?
トヨタの人気ミニバンシエンタには、200万円を切る格安グレードが存在します。一体どのようなモデルなのでしょうか。
「“いちばん安い”シエンタ」がスゴい!?
原材料費の高騰や高額な先進安全装備の搭載など、さまざまな理由から新車価格が上昇しています。
そんななか人気ミニバンでありながら200万円を切る価格設定で注目されているクルマがあります。それがトヨタ「シエンタ」の「Xグレード(以下、X)」です。

シエンタは2003年に登場したコンパクトなミニバン。扱いやすいサイズでありながら、両側スライドドアや多彩なシートアレンジを採用することで使い勝手を追求し、経済性の高さも相まって瞬く間に人気モデルの仲間入りを果たしました。
現行型は2022年に登場した3代目にあたり、居住性を向上しながらも全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mmという扱いやすい大きさをキープしています。
パワートレインには1.5リッターガソリンエンジンと、1.5リッターハイブリッドを用意。前輪駆動を基本とし、ハイブリッドモデルには「E-Four(電気式4WD)」も設定されています。
Xは、そんな現行シエンタのエントリーグレード。ただしXといってもいくつかの仕様が存在しており、200万円を切るのは「ガソリンエンジン・2WD・5人乗り(2列シート)」です。
2列シート車をミニバンと呼ぶかどうかは判断が分かれるところですが、新車価格(消費税込)は、驚きの199万5200円。
ちなみに、3列シートの7人乗りは4万円高、パワートレインでハイブリッドを選べば39万4800円高、そしてハイブリッドのみに設定される「4WD」をチョイスしたいならさらに19万8000円高くなるといった感じで、好みや予算に応じて選択可能となっています。
うれしいのは、最廉価グレードのXでも、エクステリアは中間グレードの「G」と基本的に共通なこと。一方で、ボディカラーは他のグレードは2トーンカラーを含む9色から選ぶことができますが、Xではモノトーン4色からしか選べません。
また金属調に塗装されたグリルのモールや「Bi-Beam」LEDヘッドランプ、LEDの車幅灯とウインカー、そしてLEDライン発光テールランプなどは最上級グレードの「Z」のみに標準装着となり、GやXでは省かれています。
とはいえ、ヘッドライトとテールランプはGやXもLEDとなり、必要十分と言えるでしょう。
また、Xではドアアームレストの布張りこそ省略されていますが、インテリアについてはカラーがブラックしか選択できないこと以外、Gと大きな違いはありません。
ただし、機能装備については、パワースライドが片側(助手席側)のみだったり、ディスプレイオーディオが非装着だったりと多少差があります。細かい部分では、パノラミックビューモニターやドライブレコーダー、ETC車載機などの装備も省かれています。
ちなみに、Xのガソリンモデルのみエアコンがオートではなく、マニュアルタイプが装着されます。
一方で、先進安全装備の「Toyota Safety Sense」は標準装備。「アダプティブハイビームシステム」や「ドライバー異常時対応システム」こそ省かれますが、それはGも同じ。「レーダークルーズコントロール」や「プロアクティブドライビングアシスト」などは備わっています。
中間グレードのGとの差は少なく、それでいて車両価格が200万円以下とお得なXですが、実際の販売状況はどうなのでしょうか。
首都圏のトヨタディーラーのスタッフは、次のように話します。
「お得な価格設定なこともあり一定数のお客様はいらっしゃるのですが、やはりGやZを購入される方が圧倒的に多いです。やはりパワースライドドアが片側だけでオプションでも両側にすることができないというのが、躊躇される理由としては多いようです」
グレードによる内訳は、Zが6割、Gが3割、Xは1割とのこと。さらにガソリンモデルの5人乗りとなると、選ぶ人はかなり少ないそうです。
「またオプションについては、ディスプレイオーディオやパノラミックビューモニター、ドライブレコーダー、ETC車載器などがセットになった23万2100円のメーカーオプションを付ければ、パワースライドドア以外ほとんどGと変わらなくなります。そういった点からもGを最初に選ばれるお客様が多いです」(トヨタディーラーのスタッフ)
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XとGとの価格差は34万2300円ですが、オプションセットを付けるとその差は11万200円とグッと縮まります。
パワースライドやリセールバリューを考慮すると、安さでXを選ぶか、充実装備のGを選ぶかで迷うことになりそうです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。




































