トヨタは2025年7月15日、2ドアクーペのスポーツカー「GR86」を一部改良し、同年8月1日に発売することを発表しました。

　複数のグレードがラインナップされるなかで、最も安価なモデルは一体どのようなクルマなのでしょうか。

　初代モデルは2012年に「86（ハチロク）」の名前でデビューしました。トヨタとスバルが共同開発し、水平対向エンジンを搭載した「超低重心FRパッケージング」を採用。

　手頃な価格で高級志向ではないスポーツカーを目指したのが特徴です。

　2代目となる現行モデルは、初代から約9年後の2021年にフルモデルチェンジされ、車名が86からGR86に変更されました。

　トヨタとスバルの共同開発によるFRレイアウトを継承しつつ、水平対向エンジンの排気量を2.0リッターから2.4リッターに拡大することで、動力性能を向上させています。

　今回の改良では、モータースポーツでのフィードバックを基に、エンジン故障時の安全性を強化。

　点火系回路に不具合が生じた場合、問題のある気筒のみを停止させることで、エンジン完全停止のリスクを低減し、安全な場所への移動を可能にしました。

　グレードは、エントリーモデルの「RC」、中間グレードの「SZ」、最上級の「RZ」の3種類を用意。

　トランスミッションは、RCグレードが6速マニュアル（MT）のみ、SZおよびRZは6速MTまたは6速オートマチック（AT）から選択可能です。

　このなかで最も安価なモデルが「RC 6速マニュアル」です。

　ボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm（アンテナ含む）、ホイールベース2575mm。

　室内寸法は長さ1625mm×幅1480mm×高さ1060mmです。

　コンパクトなサイズながら、前席2＋後席2の4人乗り仕様で、シートバックを倒せばタイヤ4本を収納可能な広いラゲージスペースを確保しています。

　エクステリアはシンプルな仕立てとなっており、RCグレードの特徴として、「Bi-Beam LEDヘッドランプ（オートレベリング機能付＋LEDクリアランスランプ＋LEDターンランプ）」を採用している点や、足元に16インチの「センターキャップ付きスチールホイール」を装着していることが挙げられます。

　ボディカラーは、スパークレッドやクリスタルホワイトパール（メーカーオプション）を含む7色から選べます。

　一方インテリアは、SZグレードと同じファブリック表皮を採用したホールド性の高いフロントシートを採用。

　そのほかSZグレードと共通する装備が多いなかで、ウレタン製のシフトレバーノブとパーキングブレーキレバーなど、一部で質感の区別化が図られています。

　安全装備として、運転支援システム「アイサイト」を標準搭載。

　衝突回避を支援する「プリクラッシュブレーキ」や、自動でハイビームを切り替える「ハイビームアシスト」を備えています。

　パワートレインは、最高出力235ps、最大トルク250Nmを発揮する2.4リッター水平対向4気筒ガソリンエンジンで、駆動方式がFR。

　燃費はWLTCモードで12.0km／Lと、GR86のなかで最も低燃費な数値を記録しています。

　なお、価格（消費税込み）は293万6000円と、300万円を切る優れたコストパフォーマンスも大きな魅力といえるでしょう。