クルマのメーターの表示速度は目安? レーダー探知機等とも異なる車速、何が正確?
いちばん正確なのは「ODB2」の数値?
レーダー探知機メーカーのユピテル(東京都港区)は、車速の測定方法を次のように話します。
「レーダー探知機における車速の測定は、GPSによる位置測位と、クルマの『OBD2』コネクターに接続してクルマから車速情報を得る方法の2通りがあります」(ユピテル)
「ODB2」とは「On-board diagnostics 2」の略で、車速やエンジンの状態など、クルマの様々な情報を制御するコンピューターを検査するための機能。クルマにはその検査ツールなどを接続させるためのコネクターがあり、ODB2対応のレーダー探知機はそこに接続して、車速はもちろんエンジンの回転数、油圧状態や燃費といった様々なデータを表示します。
どれが正確な車速なのでしょうか。ユピテルは、「レーダー探知機の情報がスピードメーターよりも正確かどうかは、一概には言えません」としつつも、「当社のレーダー探知機では、GPSよりもODB2情報のほうが正確」だといいます。
一方、トヨタのお客様相談室に問い合わせたところ、スピードメーターの情報は車速を測るコンピューターで計測しており、ODB2の情報も同じ車速信号に基づくものだといいます。スピードメーターとODB2情報とで差が生じる場合があることについては、「ODB2はあくまで検査用ですので……」とのことでした。
ちなみに現在、米国の衛星を利用するGPSに対し、「日本版GPS」とも呼ばれる衛星「みちびき」の打ち上げが日本政府の主導で進められており(最終的には7機まで打ち上げ予定)、この整備が進めば誤差数cmというレベルまで位置測位の精度が向上すると期待されています。
すでにユピテルのレーダー探知機も「みちびき」の信号に対応していますが、「メリットとしては車速情報の精度向上というよりも、測位エリアの拡大により、これまでGPSの信号をキャッチできなかったところもカバーされる点が大きいでしょう」と話します。
【了】