知っているとめちゃおトク! なぜ「渋滞は起きる?」 ドコで起きやすい? 避ける方法は? 巻き込まれる前に知る方法とは

車を運転する人なら誰もが経験する渋滞。「なぜ起きるの?」「どうすれば避けられる?」そんな疑問を持つ人も多いでしょう。渋滞のメカニズムを知り、賢く対策すれば、快適なドライブが可能です。本記事では、渋滞が発生しやすい場所や、NEXCOが実施する渋滞緩和策、さらには道路情報板に隠された秘密まで、渋滞を避けるための役立つ情報をご紹介します。これらの知識を活用して、時間を無駄にせず、ストレスフリーな運転を目指しましょう。

渋滞が起こる仕組みは?原因は自分かも…混雑を避ける方法・情報板に隠された秘密!

 クルマを運転する人であれば、一度は経験をしたことがある渋滞。

「この時間は渋滞になる」「この道はいつも混雑する」などと分かっていても避けられないことがあります。

 なぜ渋滞は発生するのでしょうか。

 渋滞の仕組みや原因を知り、混雑を賢く避ければ快適に、時間を無駄にせず移動できるかもしれません。

なぜ渋滞は起きるのか?
なぜ渋滞は起きるのか?

 ●渋滞とは?

「道路が渋滞している」と思う感覚は人それぞれです。

 一般的に、渋滞は道路での交通が混雑して車両の速度が低下もしくは停止し、車両の列が長く続いている状況を指します。

 NEXCO西日本では、高速道路での渋滞を「時速40km以下で低速走行、あるいは停止発進を繰り返す車列が1km以上かつ15分以上継続した状態」と定義しています。

 渋滞には3つの種類があり、交通の集中による「交通集中渋滞」、工事の規制による「工事渋滞」、交通事故による「事故渋滞」に分けられます。

 ●渋滞はなぜ起きるの?知って納得の仕組み

 NEXCO東日本によると、1年間に管内で発生する渋滞のうち70%が交通集中渋滞が原因です。事故渋滞は18%で工事渋滞は3%です。

 事故や工事の場合は渋滞地点がはっきりしていますが、交通集中の場合は渋滞発生のポイントが曖昧です。

 具体的な原因が分からないまま、渋滞が終わるまで待つことも少なくありません。

 実は、交通集中による渋滞には「渋滞が発生しやすいポイント」が4つあります。

「上り坂・サグ部」「トンネルの入り口」「インターチェンジの合流地点」「料金所」が交通集中によって渋滞が発生しやすい場所です。

 NEXCO東日本のデータでは、「上り坂・サグ部」での渋滞発生が60%を占めています。(※サグ部とは下り坂から上り坂に変わる箇所のこと)

 クルマを運転していると、無意識に上り坂やサグ部で速度を低下させてしまう傾向があります。

 前方車両の速度が低下した場合、後方に続く車両も車間距離を保つために速度を低下させなければなりません。

 必然的に、さらに後ろに続く車両もブレーキを踏んで速度を低下させるため、渋滞が発生するのです。

「トンネルの入り口」も同様に、一時的に視界が暗くなりトンネル内で圧迫感を感じることで、自分でも気づかないうちにクルマの速度を低下させがちです。

 前のクルマの速度が低下したら後方に続く車両はブレーキを踏むため、渋滞が発生します。

「インターチェンジの合流地点」や「料金所」では、クルマの合流による速度低下や、一旦停止に伴う一時的な交通容量不足が渋滞の原因となります。

 そのほか、頻繁に発生するものではありませんが、花火大会やお祭りなどのイベントが多い時期は「見物渋滞」や「脇見渋滞」が起きることもあります。

 渋滞はクルマを運転するユーザーの予定に影響を与え、大幅な時間ロスになります。少しずつイライラが募り、集中力の低下に繋がりかねません。

 では、渋滞を避ける方法はないのでしょうか。

 最低限、混雑しやすい道路や時間帯を避けるようにしたり、事前にネットなどで道路交通情報を把握したりする必要があります。

 しかし、それだけでは不十分なことも少なくありません。

高速道路各社は、渋滞対策として「渋滞ポイント標識」を掲示し、意識的な速度回復を促しています[資料:NEXCO東日本]
高速道路各社は、渋滞対策として「渋滞ポイント標識」を掲示し、意識的な速度回復を促しています[資料:NEXCO東日本]

 ●渋滞を避ける方法

 渋滞を避けてスムーズに目的地まで辿り着くには、NEXCO東日本が実施している渋滞解消・緩和対策を知っておくといいでしょう。

 NEXCO東日本では、管内の主な渋滞ポイントや渋滞の傾向を「渋滞ポイントマップ」にまとめてくれています。事前に見ておくことで、渋滞回避に役立ちます。

 また、ハード・ソフト両面から渋滞緩和対策を実施している点にも注目です。

 ハード面においては「車線の増設、付加車線の設置」のほか、トンネル内での先行車の早期発見・認知を支援する「プロビームLED照明(トンネル照明)」などを一部の区間で採用しています。

 ソフト面では、「AIを活用した渋滞予測情報の提供」や「ペースメーカーライト(PML)による交通容量拡大」などを実施。

 ペースメーカーライトはトンネル内に設置されており、光が進行方向に移動するように点滅させることで、速度低下抑制・速度回復支援に効果が期待できます。

 ほかにも、「渋滞ポイント標識等による速度回復情報提供」や「車線運用の変更」など、さまざまな点で渋滞緩和対策を行っています。

関越道(下り)花園IC出口では渋滞対策として「出口車線の延伸」を実施し車列の緩和を図っています[資料:NEXCO東日本]
関越道(下り)花園IC出口では渋滞対策として「出口車線の延伸」を実施し車列の緩和を図っています[資料:NEXCO東日本]

 ●高速道路の道路情報板に表示されている「▲」の秘密

 高速道路の道路情報版(電光掲示板)で「渋滞8km 25分▲」といった表示を目にしたことがあるがあるかもしれません。

 道路情報版の「▲(三角マーク)」は、緑もしくは赤で表示されています。この色の意味を知っていますでしょうか。

 三角マークが緑の場合は渋滞が減少傾向、赤の場合は増加傾向であることを意味しています。

 つまり、リアルタイムで渋滞が伸びているか短くなっているかを示してくれているのです。

 緑色の三角マークは、首都高速道路やNEXCO東日本で表示され、三角形の向きも赤三角とは対称的なものとなっています

 対して赤色の三角マークは、東名高速道路の東京ICから豊川ICの区間や新東名高速道路の御殿場JCから三ヶ日JC、阪神高速の一部区間などの道路情報板に導入。NEXCO西日本の区間では、5km以上の渋滞を対象に赤の三角マークのみ表示されるようになっています。

 三角マークの色の意味を知っていれば、賢く渋滞を回避できるかもしれません。

 たとえば、渋滞はそれほど長くないものの、赤の三角マークが表示されている場合は渋滞が増加傾向であることがわかるため、事前にルートを変更できるでしょう。

 逆に、渋滞が長くても緑の三角マークが表示されていれば、該当区間に入る頃には渋滞が緩和している可能性があります。

※ ※ ※

 渋滞は大幅に時間をロスするだけではなく、集中力の低下によって重大な事故に繋がる可能性もあります。

 各高速道路の管理する会社は、公式サイトやアプリ、SNSなどで日夜渋滞情報を発信しています。

 出かける前にこれらをチェックするたけでも、ストレスが少ないスムーズなドライブを楽しむことができるのです。

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