2025年6月16日に、トヨタから「タウンエース バン」の一部改良が発表されました。

　商用車としての実用性を向上させるため、いくつかの法規対応や安全機能が追加されています。　

　販売店ではどのような反響が集まっているのでしょうか。

　タウンエース バンは、1976年の登場から商用車としての長い歴史を持ちます。

　元々は「ライトエース」と「ハイエース」の中間に位置するモデルとしてスタートし、ワンボックススタイルの荷物運搬車として長年親しまれてきました。

　その後、タウンエースは商用バンの需要に応える形で進化し、近年では「小回りが効く」「積載力が高い」など、ビジネス用に優れた性能を発揮しています。

　現在のモデルは、1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載した2WDおよび4WDのグレードが選べるほか、先進の安全機能「スマートアシスト」が標準装備されています。

　ボディサイズは全長4065mm×全幅1665mm×全高1930mm、ホイールベースは2650mm。コンパクトながら広い荷室空間を提供しています。

　エクステリアはスクエアで機能的なデザインとなっており、両側スライドドアとバックドアの大きな開口部が特徴です。

　インテリアは、作業効率を重視したシンプルかつ広々とした空間設計が施されています。

　乗車定員は2名（後席使用時は最大5名）で、キャビンと荷室の広さを最大化する設計が施されています。

　今回の一部改良では、タウンエース バンの安全性や利便性を一層向上させるため、いくつかの変更が行われました。

　まず、法規対応として後退時車両直後確認装置が全車標準装備となり、バックソナーの表示が追加されています。

　これにより、後方確認がさらに簡単になり、安全性が大幅に向上しました。

　また、タイヤの速度記号が「N」から「Q」に変更され、タイヤの性能自体には変更はないものの、法規対応がなされました。

　さらに、衝撃感知時にドアロックを解除する機能が新たに追加され、万が一の事故発生時でも迅速に車両のドアが開放されるようになっています。

　加えて、視界範囲が変更されたことに伴い、GLグレードのアウターミラーが電動格納式から手動の「ピボット式」に変更されています。

　もうひとつ注目すべき変更点は、5速マニュアル仕様が廃止され、全グレードが4速オートマチックに集約されたことです。これに伴ってグレード構成にも変更があり、よりシンプルで選びやすくなっています。

　一部改良を実施した新タウンエース バンの車両価格（消費税込み）は、200万7500円から244万2000円です。

　それでは、今回発表されたタウンエース バンについて、販売店ではどのような反響があるのでしょうか。

　関東圏のトヨタ販売店担当者は、次のように話します。

「タウンエース バンは、両側スライドドアが搭載されていることで、狭い場所での乗降や荷物の積み下ろしが非常にスムーズです。

　このサイズ感と使い勝手の良さが、特に都市部での使用に最適だと評価されています。

　商用用途がメインの車両ではありますが、最近では個人ユーザーからのお問い合わせも増えています。

　特に、家業の荷物運搬や小規模な配送業務を行っている方々にとって、荷室の広さと運転しやすさが大きな利点となっているようです。

　お問い合わせ数は以前と比べて増えており、特にこの改良モデルでは法規対応や安全機能の向上に関して好評をいただいています」

　また、関西圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。

「タウンエース バンは、コンパクトなサイズながら、荷物をしっかり積める広さを持ち、スライドドアの利便性も高いと好評です。

　小規模な事業や農業関係の方々に特に人気があり、実際に『機材や納品物を積みたいけど、大きすぎるクルマは必要ない』という声をよくいただいています。

　商用車としての信頼性はもちろん、家庭用としても使えるサイズ感が魅力的だと感じていただいているようです」

※ ※ ※

　タウンエース バンは、今回の改良を経て、商用車としてさらに実用的かつ安全性が強化されました。

　販売店でも改良内容に対する高評価が集まり、特に法規対応や安全機能の充実が顧客の関心を引いています。

　今後も、価格帯やグレードの選択肢を踏まえて、さらに多くのビジネスニーズに応えていくことが期待されます。