「立体駐車場NG」のクルマが存在! 無視すると「愛車がボコボコ」になる可能性も! 「駐車お断り」はどんなクルマ? 出庫時の“悲劇”をなくすために注意したいポイントとは

都市部で多い「立体駐車場」には実はサイズ制限があります。どのような点に注意したらいいのでしょうか。

「長くて・大きくて・高くて・重いクルマ」ほど立体駐車場には不向き

 都市部のマンションや商業施設などで見かける「立体駐車場」。平置きの駐車場とは異なり、文字どおり「立体」なので、上に停めるクルマもあります。

 そうなると気になるのがボディサイズの制限。なかには立体駐車場NGのクルマも存在します。

立体駐車場の制限とは(画像はイメージです)
立体駐車場の制限とは(画像はイメージです)

 ひとくちに立体駐車場といってもさまざまな種類があります。

 郊外のホームセンターやショッピングモールなどの大規模店に併設されている巨大な立体駐車場もそのひとつであり、これは「自走式駐車場」などと呼ばれています。

 都市部のマンションや商業施設など、限られた敷地のなかで少しでも多くの駐車場を確保するために運用されているのが「機械式駐車場」です。

 この「機械式駐車場」にも種類があり、専用の建物のなかに1台ずつパレットが用意され、このパレットがゆっくりと回転することで多くのクルマを収容できる「タワー式」と、1列あたり2〜3台のパレットが用意され、上下動することでクルマの駐車が可能な「多段式」があります。

 タワー式の機械式駐車場は、屋内保管と同じで、風雨や紫外線、さらには盗難から愛車を守ってくれます。

 その反面、1つの建物に多くのクルマを収容するため、出し入れに時間が掛かり、なおかつ出入庫の時間が他の人と重ねると待ち時間が増えるといったデメリットがあります。

 多段式の機械式駐車場は、タワー式に比べると出し入れに要する時間はある程度短縮されますが、出庫後、1度ターンテーブルに載せて向きを変えるタイプだと待ち時間が増えることが考えられます。

 また、多段式は屋外駐車であることが多く、クルマが汚れやすい点もデメリットといえそうです。

 そして、これら立体駐車場は、やはり狭いスペースで限りなくたくさんのクルマを停めるため、平置きの駐車場と比較してさまざまな制限があります。

 ホームセンターやショッピングモールなどに併設されている自走式駐車場であれば、よほどのハイルーフ車でない限り、ほとんどのクルマでサイズを気にせず停めることができます。

 しかし、タワー式および多段式では、長さ・幅・高さに加え、重さまで制限があるのです。

 一般的にコンパクトなクルマであるほど置き場所に困ることなく停められますが、やはり「長くて・大きくて・高くて・重いクルマ」ほど置き場所が限られてきます。

 例えば、数あるミニバンのなかでも人気を誇るトヨタ「アルファード」のボディサイズは全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mmです。

 グレードにもよりますが、車重が2トンを超えてくるモデルが多く、最上級の「エグゼクティブラウンジ(E-Four)」では2290kgもあります。

 最近作られた機械式駐車場であれば、アルファードやメルセデス・ベンツ「Gクラス」など、「長くて・大きくて・高くて・重いクルマ」にも対応した仕様のものもあります。

 しかし、一昔前、あるいはそれ以上前に作られた機械式駐車場では「駐車お断り」の案内が出ているケースも珍しくありません。

 最近のクルマは全幅が広がりつつあり、1800mmを超えるクルマも珍しくなくなってきました。

 特に古いタイプの立体駐車場だと高さ制限が1790mmというところもあり、現行モデルのトヨタ「ヴォクシー」の全高は1895mm(4WDは1925mm)あるため、入庫が断られてしまいます。

 ちなみに、日産「セレナ(現行モデル)」の全高は1870mm(4WDは1885mm)のため、こちらも古いタイプの立体駐車場には停めることができません。

 さらに気をつけたいのが横幅です。

 機械式駐車場のパレットには「全長×全幅×全高×重量」の制限があり、全幅の許容範囲がクルマの全幅と変わらない場合、「針穴に糸を通す」くらいごくわずかなすき間しかなく、駐車するのに苦労を伴います。

 ホンのちょっと、パレットに載せる際に位置がずれただけでホイールをガリッと傷つけてしまうかもしれません。

 出先であれば場所を変えれば済む話ですが、これが自宅マンションあるいは月極の駐車場だった場合、大変なことになります。

 特に高さや長さ制限をオーバーしていると、格納時に車体に大きな損傷を与えることも少なくありません。

 また、ハイブリッド化や安全性能の向上などから車重も増える傾向にあり、2トン近いクルマ、2トンを超えてくるクルマも少なくありません。そんななか、やはり古いタイプの駐車場は車重が「1800kgまで」となっているところもあります。

 もし施設が老朽化している場合、日頃のメンテナンス不足で腐食や金属疲労などがどんどん進んでいき、重いクルマを停めた時に落下…ということにもなりかねません。

 実際に問題なく駐車できそうか、クルマを購入する場合は念入りにシミュレーションする必要があります。

 もし可能であれば試乗車を借りて、実際に停められそうか試してみると安心です。

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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