日産が新型「エルグランド」&「パトロール」発売へ!? 「軽・小型車・ミニバン」しか売れてない“現状”から脱却か?「魅力的な新型車」投入で業績回復に期待大!

「魅力的な新型車」続々登場か?

 日産が業績を回復する手段として、人員削減やリストラが注目されますが、これは倒産を避ける緊急措置です。自動車メーカーが業績を長期的に回復するには、ローンなどのサービスを含めて、優れた商品を各市場へ安定供給することしかありません。

 こういった事情もあり、日産は2020年頃から、新型車の投入を再び活発化させました。

日本投入が期待される新型「パトロール」
日本投入が期待される新型「パトロール」

 国内では、2020年にノート/キックス/アリア/ルークス、2021年はノートオーラ、2022年にはセレナ/フェアレディZ/エクストレイル/サクラという具合に発売しています。

 それなのに日産の国内販売ランキングは、以前と同じ4位あるいは5位です。その理由は、ルークス、ノート、ノートオーラ、セレナ以外、売れ行きを伸ばせていないからでしょう。

 例えばキックスは、売れ筋カテゴリのコンパクトSUVですが、ハイブリッドのe-POWER専用車だから全車の価格が300万円を超えます。

 国内の発売は2020年ですが、海外ではガソリンエンジン車が2016年に投入され、今ではデザインに古さを感じます。エクストレイルもe-POWER専用車で、売れ筋価格帯は400万円から500万円に達します。

 フェアレディZは知名度の高いスポーツカーで、アリアも電気自動車に力を入れる日産の象徴的な上級車種ですが、両車ともに発売後の受注と生産が滞り、イメージリーダーカーの役割を十分に発揮していません。

 現状を打破できるのは魅力的な新型車ですが、2024年度に日産が世界で新車として販売したクルマのうち、日本国内の販売比率はわずか14%でした。この数値はトヨタの15%、ホンダの18%、スズキの22%を下まわります。

 言い換えれば、今の日産の売り方は海外中心となり、そのために国内の売れ筋車種が次々と廃止され、一部の車種が国内市場を支える状態に陥ったというわけです。

 それならば、たとえ海外向けの商品でも、魅力的な日産車を国内へ活発に投入すれば良いでしょう。今後の日産は、このような今までできなかった当たり前のことにチャレンジします。

 日産の関係者は次のようにコメントしました。

「2025年中にルークスを発売して、リーフの価格も明らかにするでしょう。その後は、エルグランド、パトロールの順で発売する予定です」

 次期リーフは各種の機能を充実させて価格を高めるため、新しい買い得な電気自動車として、サクラとリーフの間に欧州で売られるマイクラを導入する可能性もあります。

 2027年にはスカイラインもフルモデルチェンジされ、新型キックスを導入する可能性も高いです。

 なお今後の日産は、大量に販売されるノート/キックス/セレナなどの売れ筋車種と、価格の高いフェアレディZ/エルグランド/パトロールなどの両方に力を入れます。

 後者はそう多くは売れませんが、イメージリーダーとして日産のブランド価値を向上させ、販売会社の利益も高めます。

 今の軽自動車とコンパクトカーを中心とした国内販売構成を、バランスの取れた商品ラインナップに戻していくのです。この戦略を成功させないと、日産の業績も回復することはないものと思われます。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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