なぜ国民惑わす? 「ガソリン価格」はいつ下がる? 「今年度で…」自民党幹事長が示唆… ガソリン減税でも必ず安くなると言えない理由とは
今後どうなるガソリン減税 それ以外にもクルマには税金かかりすぎ! そっちもメスが入る?
背景には、政府が昨年12月に示した税金に対する国の基本方針である「令和7年度 税制改正大綱」があります。
この中で、自動車に係る税金を抜本的に変える準備を行うことが盛り込まれています。
財務省や総務省は、自動車メーカーでつくる業界団体・日本自動車工業会(以下、自工会)と自動車の税金のあり方について議論を重ねてきました。
そのたたき台となっているのが自工会が昨年10月に示した「令和7年度税制改正・予算要望の概要 及び 自動車税制抜本見直しの改革案」です。
この中で、所得時の負担軽減のため「性能環境割は廃止するべき」と指摘しています。
また、保有時については、自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を一本化する案を検討しています。
こうした車体課税に関する抜本的な変革に伴い、国や地方自治体の税収が減少する可能性があり、税制改正大綱を議論する12月の税制調査会に向けて、各方面の関係者の議論が活発化しているところです。
今回の森山幹事長の発言から推測できるのは、与党としてはガソリン税など自動車を保有する際にかかる税金についても、車体課税の議論も含めて、12月の税制調査会でとりまめ、来年4月からの実施を念頭に入れているものを考えられます。
仮にそうだとすれば、ユーザーにとっては、環境性能割とガソリン暫定税率の廃止によって税金の負担は減るでしょう。

また、自動車税(軽自動車税)と自動車重量税が融合した、新しい税については、所有するクルマの電動化の種類などによって、現在と比べて税金が上がるのか、それとも下がるのかは、現時点では不明だと言わざるを得ません。
ガソリン価格については、ガソリンの暫定税率が廃止になっても、必ず安くなるとは言い切れません。
なぜならば、日本は原油の海外からの輸入に頼っているため、原油価格が高騰すればそれに比例してガソリン価格も上昇し、それに対して国はガソリン元売りに対して補助事業を行うことで、170円台ていどの価格を維持しているからです。
ガソリン暫定税率の廃止は、いわば恒久的なガソリン価格の抑制になりますが、それを大きく上回るような原油価格高騰となれば、国からガソリン元売りに対する補助事業に頼らざるを得なくなり、結局ガソリン価格は170円台ていどで高止まることも想定されます。
ガソリンの暫定税率が、いつ廃止されるのか。
また、車体課税や、そのほか生活に直結する様々な税金は来年度、どうなるのか。
今後の行方を注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。




















































