大型ミニバン&SUV刷新!? トヨタが次期型「シエナ&ハイランダー」登場予告! 「画期的システム」採用!? エンジン搭載EVを中国に投入へ
2025年6月にトヨタは中国で開催した技術関連の発表会を行いました。そこでは海外市場のみで販売しているSUV「ハイランダー」とミニバン「シエナ」の次期型に発電用エンジンを備えたEVモデルを投入すると明らかにしました。
広汽トヨタ、次期「ハイランダー」「シエナ」にレンジエクステンダー付きEVモデル投入を予告
トヨタは2025年6月に中国で開催した技術関連の発表会を行いました。
そこでは、SUV「ハイランダー」とミニバン「シエナ」の次期型に発電用エンジンを備えたEVモデルを投入すると明らかにしました。

「ハイランダー」と「シエナ」はどちらもトヨタが海外市場のみで販売しているモデルで、それぞれSUVとミニバンとなります。
元々は北米市場をターゲットとして誕生しましたが、現在では東南アジア諸地域や中国でも販売されており、高い人気を誇ります。
2000年に登場したハイランダーは現在4代目モデルが販売されており、中国では広州汽車との合弁会社「広汽トヨタ」が製造・販売を行なっています。
また、第一汽車との間に設けたもう一方の合弁会社「一汽トヨタ」ではクラウンブランドから「クラウンクルーガー」という姉妹車が展開されています。
一方、大型ミニバン「シエナ」は1998年に登場、「プレビア(日本名:エスティマ)」の後継車種として北米市場で発売されました。
現在販売されているモデルは2020年に登場した4代目モデルで、以前まで設定されていたV6モデルを廃止、全モデルともにA25A-FXS型2.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するハイブリッドに一本化されました。
シエナは中国でも並行輸入車として少数が販売されるほど人気でしたが、長らく正規で販売はされていませんでした。
そんな中、2021年にトヨタの中国法人はシエナを正式に中国市場へ投入し、中国で販売するモデルは中国現地で生産すると発表しました。
そして現在、広汽トヨタがシエナを、一汽トヨタが姉妹車の「グランビア」を製造・販売しています。
2024年通年における販売台数はハイランダーが7万8884台、クラウンクルーガーが5万2672台を記録しました。
また、シエナは8万9450台、グランビアは7万8687台を販売し、合算すると中国でもっとも売れたミニバン車種となります。
どれも現行モデル登場から数年が経過していますが、ハイランダーは月間7000台前後、クラウンクルーガーは月間5000台前後、シエナは月間9000台前後、グランビアは月間7000台前後の販売台数を記録し続けています。
そんな人気車種のハイランダーとシエナですが、広汽トヨタが2025年6月に開催した技術関連の発表会にて、次期モデルでは「レンジエクステンダー付きEV」モデルを投入することを明かしました。
レンジエクステンダー付きEV(EREV)とは「エンジンを搭載するEV」という点ではプラグインハイブリッド(PHEV)と似ていますが、PHEVはエンジンで発電も駆動もできるのに対し、EREVでのエンジンは完全に発電専用となります。
純電動のBEVでは航続距離の不安が払拭できない中、航続距離を伸ばす手段として発電用エンジンを搭載するEREVが登場したという経緯を持ちます。
日本市場では現在、どのメーカーもEREVを販売しておらず馴染みの薄い存在ですが、一方で電動化の進んでいる中国市場では「BEVとEREV」両方を設定するメーカーが多く、EV市場において大きな存在感を発揮しています。
バッテリーの飛躍的進化がなかなか見られない中、EREVはPHEVとともに中国でマジョリティな存在となっています。
次期型ハイランダーとシエナは現行モデルよりもさらに大型化し、EREVモデルを投入。
そして中国人の主査が開発を率いる「リージョナル・チーフ・エンジニア(RCE)」制度を導入することで、中国市場の需要を的確に捉えた商品開発を加速させるとしています。
また、具体的な車種は明かされなかったものの、EREV以外に「高性能で競争力のある」PHEV車種も開発中としており、ミドルSUVのPHEV投入も期待されます。
BEV(電気自動車)に関しては引き続きbZシリーズを拡大するとし、広汽トヨタ初の純電動セダン「bZ7」は2026年第1四半期に発売予定であると明かしました。
bZ7に用いられているプラットフォームは全長5.3メートル以内のC-Dセグメント車種に応用できるとしており、パワートレインもBEVからPHEV、EREVと幅広く対応できるとアピールします。
また、HEV技術では現行の第5世代からさらに進化した第6世代の研究を進めるとしています。
これらのパワートレイン戦略を持って、広汽トヨタは2030年までにEV(含EREV・PHEV・BEV)の販売比率を全体の8割にまで増やすとしています。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。














































































