ジムニーやハイエースを戦車化? 公道も走れる究極の4WDシステム「クローラー」とは
高い悪路走破性を発揮する「四輪駆動(4WD)」システム。そんな4WDをさらにパワーアップし、信じられないような地形を走ることができる究極の4WDシステムがあります。いったいどんなシステムなのでしょうか?
さすがの四駆車でも深雪や砂、泥には敵わない…
高い悪路走破性を発揮する「四輪駆動(4WD)」システム。熟練した運転技術や車両各部の対策があれば、にわかには信じられないような地形を走ることができます。そんな4WDをさらにパワーアップできるのが、「クローラー」です。いったいどんなシステムなのでしょうか?
4つのタイヤをエンジンの力で回転させることで、優れた悪路走破性を発揮するのが、四輪駆動というシステムです。前から引っ張る力と後ろから押すという両方の力が働くために、二輪駆動車では走行できないようなシーンでも走ることができます。
ですが、四輪駆動車が無敵というわけではありません。自動車が前に進むのは、エンジンの力(駆動力)に加えて、タイヤと路面の摩擦によって生まれる滑らない力(トラクション)があってこそ。深雪や砂、泥は力を加えると動いてしまうため、この摩擦力をうまく得ることができません。そのため四輪駆動でもタイヤが空転し、「スタック」というまったく走れない状況に陥ってしまうのです。
砂漠や泥のステージを長距離走るラリーレイドというモータースポーツでは、出場マシンはスタックボードやサンドラダーと呼ばれる脱出アイテムを装備しています。四輪駆動車は最低で3輪がトラクションを発揮できれば前進できるため、空転したタイヤの下にこれらの”板”を敷き、人為的にトラクションを得るわけです。