ジムニーやハイエースを戦車化? 公道も走れる究極の4WDシステム「クローラー」とは
トラクターや戦車で実用化された「無限軌道」を自家用車に?
これと同じ考え方のシステムがあります。「無限軌道」です。トラックベルトや履帯(りたい)などとも言われる無限軌道は、実は18世紀ごろから考案されている非常に古いシステムです。トラクションの得られない道を走るなら、自分たちで条件のいい道を造ってしまおうというわけです。無限軌道はトラクターで実用化され、20世紀に入ると一気に進化しました。
昨今では戦車やブルドーザーなどの重機に多用されていますが(一般的な無限軌道車は2WD)、実は普通の自動車にも使える無限軌道があるのをご存じですか? 「クローラー」と呼ばれる簡易型の無限軌道です。
四輪駆動のSUVやワンボックス車などのタイヤの代わりに、おむすび形の無限軌道システムを装着することで、驚異的な悪路走破性を発揮するシステムです。クローラー車のメリットは、本格的な雪上車に比べると価格がリーズナブルな上に、夏は普通の車として道を走ることができることです。
日本においては90年代に特に注目され、いすゞの「ミュー・ウイザード」を皮切りに、三菱「パジェロ」やトヨタ「ランドクルーザープラド」と「ハイラックスサーフ」のクローラー車が自動車メーカーから発売されました。しかし販売台数が少なかったためか、現在では自動車メーカーは撤退し、全国で1社のみがクローラーシステムの製造・販売を行っています。
それが20年以上もクローラー車の販売を行っている、長野県のノースウエスト特殊車両です。平野司社長に、クローラー車について聞いてみました。