トヨタ新「カロクロ」は「一部値上げなし?」 めちゃ改良したのになぜ? 日本初「画期的システム」採用の理由は? 開発者にコダワリを聞いた
乗ると実感! カローラクロスの走りは何が変わった?
今回のカローラクロスは走行性能も向上しています。関氏によれば、大きく2つの改良が行われました。
具体的には、サスペンションの締結トルクを上げることによって車両の剛性感を向上させました。
2021年に発売後、2023年モデルでベアリング高剛性・低フリクション化やサスチューニングの適正化を行い、今回の2025年モデルではさらにサスペンション締結剛性を向上させました。
これによりステアリングニュートラル付近の明瞭さ、手応えの向上、車両の挙動がよりリニアで素直に改善されています。
関氏は「1つはサスペンションの部分です。これは締結トルクの精度を向上させ、締結トルクを向上を図っています。これによって剛性が上がり、ハンドルの手応えがよりリニアに、分かりやすくなるとともに、乗り心地の質感、段差を乗り越えた時の収まりの感じ方が変わってきてます」と説明します。
なお、このサスペンションの締結トルク向上は、生産拠点が変更になったことで実現したものだといいます。
今回のカローラクロスは、生産拠点が愛知県の高岡工場から岩手県にあるトヨタ自動車東日本(TMEJ)の岩手工場に移管されました。
関氏によれば、「今回の生産移管にあたって、カローラクロスの開発陣とTMEJメンバーの話し合いを行い、そのなかでレクサスやGRなどでもすでに行っている締結トルク向上をやろうという話になりました」と説明します。
そして、もう1つの改良は静粛性です。
この部分でも発売以降、継続的に改良が行われており、2023年モデルで高減衰ボディ接着剤の採用によりしなやかなボディと振動低減を実現。
2025年モデルでは、「ルーフマスチックの高減衰化」、「リヤウレタンブロックの追加」、「Aピラー内吸音材の追加(Z/GR-Sグレード)」という3つの変更を実施し、静粛性をさらに向上させています。
「ルーフの部分に用いている接着剤の材質を変えることによって雨打ち音の低減、もう1つはリアのバンパー内にウレタンのブロックを入れることによってタイヤのノイズの低減、これによって運転席と後席の方の会話や雨が降った時の不快な音を低減しています」(関氏)

今回、標準仕様が改良されたことに加えて、スポーツ走行を楽しめるGR SPORTグレードの追加も行われました。
GR SPORTグレードは、専用フロントバンパーやグリルに「形には意味を持たせる」という考えのもと、単純な加飾だけでなく、機能性を持たせています。
内装では、GRカローラと同様のスポーツシートを採用し、ドライビングをサポートする機能性とスエード調表皮によるメイン材の質感を両立。さらに専用パドルシフトやアルミペダルで、スポーティな走りと印象を演出しています。
さらに専用の2.0Lエンジンとモーター出力の向上により、心地の良いサウンドと加速を実現。
さらに日本向け車両初となる専用SPORTモードを搭載しています。
これは「スポーツ走行を楽しみたい」というユーザーの要望に応えるため、スポーティさに振り切った制御に変更されており、アクセルレスポンスの向上に加え、常にエンジンの回転を待機させることで、どの速度域からでも思い通りの加速ができるように設計されています。
また、専用サスペンションにより硬さを上げて素早い応答性を実現したほか、専用ホイールも軽量・高剛性を追求し、より機能的かつスポーティに仕上げられています。
関氏によれば「より走りを楽しみたいというお客様の要望に応えるためにGR SPORTのグレードを追加しました。こちらはGRのレースシーンで培った技術を車体に入れると共に、GRのデザインをあしらい、より走りを楽しみたいお客様の要望に応えていきます」と話しています。
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改良されたカローラクロスは、カローラシリーズのDNAである「良品廉価」「変化」「プラスアルファ」を継承しながら、時代の変化に応える進化を遂げました。
2021年の発売から約4年が経過したなかで、外観・内装デザインの刷新による洗練された都会的なデザイン、シグナルロードプロジェクションやSNOWEXTRAモードによる安全性・安心感の向上、走行性能や静粛性の改善など、多岐にわたる改良点によって、商品力により一層増しています。
実際の販売店でも「発表以降、多くの受注を頂いており、Zグレード、GR SPORTなどに関心を持たれているお客様が多い」と話していました。
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