赤信号の「スマホ操作」・運転中の「おにぎりパクパク」は違反!? ドライブ中にしがち? 実は危険な「ながら運転」のリスク! 注意したいポイントとは
運転中のスマホ操作といった「ながら運転」は危険な行為として違反が科せられます。では「赤信号中のスマホ操作」「運転中におにぎりを食べる」といった行為は、いったいどのような扱いとなるのでしょうか。
「運転中のスマホ操作」は明確に「NG!」だが……
道路交通法では、運転中の行動に対してさまざまな義務と禁止行為が定められています。
その中でも「ながら運転」と呼ばれる運転中の行為はれっきとした違反とされ、ときに懲役刑や免停処分の対象になることもあります。
![こぼしちゃいそうで、「もう運転どころじゃない」場合も!?[イメージ画像:PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/06/20250620_Traffic_Trouble_Accident_pixta_115387428_001.jpg?v=1750405406)
まず、運転中のスマートフォン操作については、道路交通法第71条第5号の5で明確に禁止されています。
停止中を除き、携帯電話を「手で保持して通話すること」や「画面を注視すること」が違反となり、保持行為であっても6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金、反則金1万8000円(普通車の場合)、違反点数3点が科されます。
さらに、スマホ操作によって実際に交通の危険が生じた場合は「携帯電話使用等(交通の危険)」として、1年以下の懲役または30万円以下の罰金、違反点数6点が科されます。
この場合、反則金制度は適用されず、刑事処分が直接行われます。これは単なる罰金の支払いでは済まず、前科がつく可能性があるという重大な法的リスクを意味します。
なお、赤信号などで車両が完全に停止している状態でのスマホ操作は、法律上の禁止対象ではありませんが、注意力散漫によって発進遅れや追突などの事故を引き起こす恐れがあるため、安全運転の観点から控えるべきです。
一方、飲食についてはどうでしょうか。
「おにぎりを食べる」などの行為は、道路交通法において直接禁止されているわけではありません。つまり、法律上は「飲食そのもの」は即違反にはなりません。
しかし、道路交通法第70条に定められる「安全運転の義務」に反する場合は、違反として扱われます。
この条文は「車両等の運転者は、常にハンドルやブレーキを確実に操作し、他人に危害を及ぼさないよう運転しなければならない」と定めています。運転中の飲食がこの義務の遂行を妨げたと認定されれば、安全運転義務違反となります。
たとえば、「飲み物をこぼして驚いてハンドル操作を誤ったことによる事故」「片手運転で急な操作ができず衝突」「視線を逸らして車線逸脱を起こし他のクルマと接触」などといった事例は、実際に安全運転義務違反とされる可能性が高いでしょう。
安全運転義務違反の場合、違反点数は2点、反則金は普通車で9000円が科されます。
交通事故鑑定人によれば、「運転中の行為がドライバーの視線や操作能力にどれだけ影響を与えたか」が違反の判断基準になります。
つまり、「おにぎりパクパク」は内容や状況によってセーフともアウトともなり得る、グレーゾーンの行為といえるでしょう。
さらに、スマホ操作や飲食以外にも安全運転義務違反とされる行為は多岐にわたります。
代表的なものとしては、カーナビやオーディオの操作、車内の物を取ろうとする動作、考え事や会話による注意散漫、ハンドルの不適切な操作などが挙げられます。
道路交通法第70条は、こうした“特定されていない違反”を包括的に取り締まるための条文であり、警察庁の統計では「安全運転義務違反」に分類される事故の内訳として、「前方不注意」「漫然運転」などが挙げられています。
罰則を避けるという観点だけでなく、自身と他者の命を守るという意味でも、運転中はあらゆる“ながら行為”を極力避け、運転に集中する姿勢が求められます。食事やスマホの操作が必要な場合は、必ず安全な場所に車両を停車させて行いましょう。
なお、自転車に関しても「ながらスマホ」に対する罰則強化が2024年11月から施行されています。
携帯電話を保持しての通話や画面注視は、単なる使用行為でも6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科され、交通の危険を生じさせた場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
車種を問わず“ながら操作”に対する社会の目は今後さらに厳しくなるといえるでしょう。
運転中の行動が重大事故につながる可能性を常に意識し、安全運転を徹底することが何よりの法令遵守であり、事故防止への第一歩となります。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。


















































