マイカーに燃費重視は過去の話? 今のトレンドは?
ユーザーがマイカーを選ぶ時に重視する性能や機能は、時代によって異なります。"馬力競争""燃費競争"そして現在は"安全技術競争"と言われています。実際にクルマへ求めるトレンドはどう変わってきたのでしょうか。
マイカーに求めるトレンドは時代によって変化
ユーザーがマイカーを選ぶ時に重視する性能や機能は、時代によって異なります。”馬力競争””燃費競争”そして現在は”安全技術競争”と言われています。実際にクルマへ求めるトレンドはどう変わってきたのでしょうか。
クルマの性能が急速に進化した1960~1980年代は、最高出力や最高速度が強い説得力を持ち、”馬力競争”が激化しました。
1989年に日産のスポーツカー、4代目「フェアレディZ」が最高出力280馬力を発揮すると、国が各メーカーに自主規制を求め「280馬力規制」が生まれました。国内の「280馬力規制」は2004年まで続き、同年に発売されたホンダのフラッグシップセダンである4代目「レジェンド」が、日本車としては初めて280馬力を超える最高出力300馬力を達成しました。
近年の重視される性能に燃費数値があります。2010年から2015年頃は、売れ筋の軽自動車が頻繁に燃費数値を向上させました。今ではスズキ「ワゴンR」やダイハツ「ムーヴ」、スズキ「アルト」のJC08モード燃費は30km/Lを超えています。
さらには低燃費車の代名詞、ハイブリッドカーのトヨタ「プリウス」は、売れ筋グレードが37.2km/L、燃費スペシャル的なグレードのEは、40.8km/Lを超えます。
しかし首都圏のトヨタ系販売店のセールスマンに尋ねると、「最近は燃費数値が上限に達したこともあって、以前に比べると燃費にこだわるお客様が減りました。しかし細かな燃費数値には固執しなくなりましたが、エコカー減税に該当することは必須条件です。それでも細かな減税額(減税率)に対する関心は低く、エコカー減税に該当していれば良いようです」と言います。
今はWLTCモードというより実燃費に近い世界基準の新しい燃費計測値に切り換わる時期でもありますから、車種によっては改良を受けて、実用燃費を向上させながら、カタログに記載されるJC08モード燃費が悪化することもあります。
例えば、ダイハツの先代「ミライース」のJC08モード燃費は、売れ筋グレードでも35.2km/Lでしたが、現行型では34.2km/Lに下がりました。
そして現時点で関心が最も高い機能や装備を尋ねると、どこのメーカー販売店でも「自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)を作動できる安全装備です」という返答が得られます。「特にクルマに詳しくないお客様は、自動ブレーキの性能を気にされます。歩行者を検知できるか否かも、大切な購入の判断基準です」と語ってくれました。
現在、高齢者ドライバーの事故も多発しており、ユーザーが求めるニーズは万が一の保険ともなる「自動ブレーキ」のようです。