トヨタ新型「カローラ“クロス”」まもなく登場!? 顔面刷新で“レクサス顔”に顔面刷新!? 完全“独自仕様”もあるか? 4年ぶり大刷新の「“大人気”コンパクトSUV」どうなるのか
2025年5月上旬、アメリカと欧州で、トヨタ「カローラクロス」の新型モデルが披露されました。まもなくの日本でのマイナーチェンジも予想されますが、どのようなモデルとなるのでしょうか。
新型カローラクロス、どうなる?
2025年5月上旬、アメリカと欧州で、トヨタ「カローラクロス」の新型モデルが披露されました。デザイン変更の、いわゆるマイナーチェンジに該当しますが、はたしてそのモデルは日本にやってくるのか、考察してみます。

カローラクロスは、トヨタにとって非常に重要なモデルです。具体的には、販売の面での大きな柱となっているのです。
たとえば、日本市場において「カローラ」は昭和から平成にかけて、年間販売ナンバー1の王座に長く君臨していました。1969年から2001年までの33年連続のナンバー1です。2002年は2位となりましたが、翌2003年から2007年までも1位に返り咲いています。そして、2024年には2007年以来となる、17年ぶりのナンバー1の座を奪還したのです。
この復活劇に大きく貢献しているのが、2021年に日本導入されたカローラクロスとなります。
ちなみにカローラの販売台数には、セダンやハッチバックだけでなく、SUVタイプのカローラクロスも含まれます。「ヤリス」の販売台数のうち半数ほどが「ヤリスクロス」であるように、カローラも、その販売の半数ほどがカローラクロスとなります。販売台数に大きく貢献しているのがカローラクロスなのです。
では、そんなカローラクロスの未来を考える上で、大きなヒントとなるのが、過去の歩みです。どこで、どんなカローラクロスが販売されてきたかを知れば、この先の日本市場を予測することができるはずです。
まず、カローラクロスがデビューしたのは、2020年7月のタイでした。日本発ではなく、最初にタイで世界初披露と販売がスタートします。大きなグリル開口部と、横長かつクリっとしたヘッドライトを持つアグレッシブな顔つきです。1.8リッターのエンジン車と、同じ1.8リッターのハイブリッドが用意されていました。
その翌年となる2021年9月にカローラクロスは日本でも発売となりました。基本的な内容は同じでありながらも、トヨタではなく「カローラ」のCのエンブレムを備え、グリル開口部は小さくなっています。タイ版よりも、もっと上品な顔つきです。
そして、次の2020年になると欧州とアメリカにてカローラクロスが発売されます。顔つきは、アグレッシブなタイ版と同じもの。ただし、エンジン車もハイブリッドも排気量は2リッターとなっています。よりパワフルなモデルが導入されていました。
ここまでがカローラクロスのデビューと、世界各地への導入となります。タイで生まれ、日本や欧州、アメリカに広がっていったことがわかります。デザイン的には、アグレッシブな印象のデザインが世界向けで、日本だけが上品なものとなっていました。
そんなカローラクロスが2023年10月に一部改良がおこなわれます。日本版のパワートレインが刷新され、1.8リッターのハイブリッドは電動ユニットが新しくなり、エンジン車は排気量を2リッターに拡大されます。
そして、2024年2月にタイにおいて新しいデザインのカローラクロスが発表されました。大きく変わったのはデザインです。レクサスの「スピンドルグリル」のように、ハニカムのグリルとボディが一体化されています。
これをトヨタは「マルチディメンショナルデザイン」と説明しています。また、「GR SPORT」グレードには、また異なった顔つきが採用されています。グリルが上下に分割されており、通常モデルよりもグリル開口部が大きくなっています。つまり、2つのデザインが用意されていたのです。
そして、この基本となるボディ一体型のマルチディメンショナルデザインが、2025年5月に登場した欧州とアメリカのカローラクロスにも採用されていました。ただし、欧州とアメリカも、もう一つ別のデザインが採用されていましたが、そのデザインは各々違ったものとなっています。
欧州は「GRヤリス」のような空力的な効果のありそうなデザインであり、アメリカはバンパー部分の大きいワイルドな雰囲気となっているのです。
つまり、タイも欧州もアメリカも、2つのデザインのうち、ひとつが基本の「マルチディメンショナルデザイン」であり、もうひとつのデザインは、それぞれの地域独自のものとなっているのです。
そういう流れを知ってしまえば、日本版の新しいカローラクロスのデザインも、同様なものになるのではないでしょうか。やはり2つの顔が導入され、ひとつはボディ一体型のマルチディメンショナルデザイン。そして、もうひとつが日本版独自の新しい顔つきです。過去の流れから言えば、日本版は、世界と比べて最も上品でおとなしいデザインになるのではないでしょうか。
過去のカローラクロスの日本導入は9月でしたし、一部改良は10月でした。同じようにデザインを新しくするマイナーチェンジは秋ごろになるのかもしれませんね。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。














































































