安さだけじゃない…「トヨタ新型SUV」なぜ爆売れ? 1時間で1万件予約! 「bZ3X」が中国で話題を集める理由
安いだけが理由ではない? トヨタ新型「bZ3X」が中国で人気なワケ
bZ3Xは中国市場で注目度の高い「レベル2+」の高度な運転支援機能を中級グレード以上で搭載しています。
ソフトウェアは中国の自動運転ベンチャー「momenta」と共同開発しており、ドライバー監視の下、ナビ上で設定した目的地までの運転操作をクルマが行なう「NOA(Navigation on Autopilot)」機能にも対応。
計算能力254 TOPSを有するNVIDIA Orin-XチップセットやLiDARユニット(126ライン)といったハードウェアも併せて搭載することで、中国メーカー車種に対抗する狙いがあります。
また、先述のインテリア設計も中国のトレンドを反映させているのが評価ポイントのひとつです。
日本や欧州などの消費者が成熟した市場では物理ボタンの利便性が好まれる傾向にありますが、一方でクルマを持ったことのない若い消費者が多い中国市場ではタッチ操作に先進性を見出す傾向があります。
事実、中国市場で販売されている中級レベルのEV車種はbZ3Xのようなシンプルな内装を持っており、これが現在のスタンダードと言えます。

トヨタ初の中国専売BEV「bZ3」では中国のトレンドを反映しきれていないために人気はイマイチでしたが、そこで得た学びをbZ3Xでは活かしている形となります。
市場の求める需要やトレンドを正しく理解し、なおかつトヨタが培ってきた妥協のない「安全性」「信頼性」も盛り込み、価格を抑えてリリースしたことがbZ3Xの勝因と言えるでしょう。
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bZ3Xの評判は販売状況だけでなくネット上でも現れています。
SNS上ではbZ3Xの質や完成度を期待する声にあふれ、試乗の予約をした人も多く見受けられます。
同じく日系BEVである「日産 N7」も2025年4月下旬に予約開始され、瞬時に1万件以上を受注したと言われています。
これまで日系メーカーは中国市場で押され気味でしたが、ここにきて反撃のタイミングが来ていると言えます。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。














































