クルマにある「謎のちょうちょマーク」一体どんな意味? 無視すれば「うっかり交通違反」も!? 見かけたらどうすべきか

街ナカのクルマを見ると、初心者マークや高齢者マークに混じって、たまに「ちょうちょマーク」を貼っているクルマを見かけることがあります。このマークは一体どのような意味を表しているのでしょうか。

「みどり地に黄色いちょうちょ」 意味は

 街ナカのクルマを見ると、初心者マークや高齢者マークに混じって、たまに「ちょうちょマーク」を貼っているクルマを見かけることがあります。
 
 このマークは一体どのような意味を表しているのでしょうか。

正体は「聴覚障害者標識」[画像はイメージです]
正体は「聴覚障害者標識」[画像はイメージです]

 ちょうちょマーク、具体的には「みどり地に黄色いちょうちょ」というデザインのマークの正体は「聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)」といいます。

 これは、聴覚障害者であることを理由に運転免許に条件が付されている人に対し、表示義務が課されているマークです。

 運転免許の取得時や更新時は「視力検査」が行われ、視力が基準に達していない場合は「眼鏡等」の条件が付けられ、運転時にメガネやコンタクトレンズの使用が必要となることはよく知られています。

 いっぽう同じように聴覚にも、「10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる」という基準があります。

 メガネと同じく、基準聴力を確保する補聴器の使用が必要な場合は「補聴器」という条件が付けられます。

 しかし、「補聴器を使っても基準をクリアできない」という重度の難聴の人もいます。

 2008年の道路交通法の改正で、そうした重度の難聴の人でも、一定の条件の下で運転免許が取得できるようになったのです。

 その条件は「特定後写鏡」(ワイドミラーまたは補助ミラー)の使用、そしてもう一つが「聴覚障害者マーク」を車体に貼り付けることです。

 ワイドミラーは、通常のミラーよりも広い範囲を写し、一般人が聴覚により感知している周囲状況を視覚でカバーする役割があります。

 特に、クルマのドライバーの死角に入りやすい原付バイクや、車道を走行する自転車のほか、後方から来る緊急車両などを確認しやすくなります。

 なお貨物車などルームミラーが使用できないクルマの場合、サイドミラーに角度の異なる補助ミラーを追加することで対応します。

 さて「聴覚障害者マーク」はクルマのどこに貼ってもいいわけではなく、クルマの前面と後面の地上0.4m~1.2mの位置に見えやすいように表示すべきという規定があります。

 もしこのマークを表示せずに運転した場合は、道路交通法違反として、4000円の反則金(普通車の例)に加えて違反点数1点が科されてしまいます。

 いっぽう、危険防止のためのやむを得ない場合を除いて、聴覚障害者マークを付けたクルマに対して幅寄せをしたり、無理な進路変更で割り込んだりすると、やはり道路交通法違反となります。

 こちらは6000円の反則金(普通車の例)に加えて違反点数1点が科されます。

 聴覚障害者マークを付けたクルマの近くを走行する場合は、周囲を走行するクルマや付近の歩行者の安全確保のため、死角に入らないよう注意し、車間距離をしっかり取って走行しましょう。

【画像】「えっ…!」これが高速で「うっかり違反となる行為」です!(25枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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