価格は驚異の約240万円から! 日産新型セダン「N7」最速試乗! 発表から12時間で1万台強受注! どんなクルマ? 中国で乗った【試乗記】
さぁ、N7の乗り味は? どんな印象?
実際に乗ってみると新興EVメーカー車種で見られるような粗はほとんどなく、さすがは日産車だという印象を受けました。
今回試乗したのは最高出力268 hp・最大トルク305 Nmの上位グレードモデルです。
下位グレードでは出力が214 hpまで落とされる一方でトルクの数値は一緒なので、出だしの加速感はそこまで変わらないことでしょう。
どちらのグレードも前輪駆動ではあるものの街乗りでは必要十分なレベルです。
サスペンションは日本車基準で考えると少し硬めな印象を受けましたが、路面から伝わる亀裂や凹凸をスムーズに処理してくれるので不快感は覚えません。
バネも硬く、減速時の荷重移動においても酔う感覚はありませんでした。
一方でブレーキ性能はそこまで大きなキャリパーを搭載しているわけではありませんが、しっかりと踏んだ分だけ減速してくれます。
キャリパーをよく見ると本物の対向キャリパーではなくキャリパーカバーを純正で装着しているのには驚かされましたが、中国ではキャリパーがデカい方が好まれる傾向にあり、コストを抑えつつもその需要に応えているのだろうと思いました。

日産 N7は2025年4月27日の発売とともに正式な販売価格が発表されました。
グレードはバッテリー容量58 kWh・モーター出力214 hpの「510」、そして73 kWh・268 hpの「625」の2つを主軸とし、装備の異なる「Air(510のみ)」「Pro」「Max」の3つのレベルを用意する計5モデル展開です。
最上級モデル「Max」では中国の自動運転ベンチャー「momenta」と共同開発した「レベル2+」の高度な運転支援機能に対応し、市街地や高速道路でハンズオン状態の下、運転操作の大部分を車両側が代わりに行ってくれます。
価格はもっとも安い「510 Air」で11.99万元(約236.2万円)、最上級モデル「625 Max」でも14.99万元(約295.3万円)と非常に安く、多くの中国メディアが事前に予想した価格よりも安い結果となりました。
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予約受付は同日に開始、その翌日28日には朝の時点ですでに1万138台を受注したと日産は発表しました。
先立ってトヨタが発売した中国向け電動SUV「bZ3X」も低価格・高品質を理由に好調な販売を記録しており、日産 N7もそれに次ぐ新たな日系EVのヒット作となる予感です。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。









































