トンネル照明の橙色なぜ減った? クリーンな排ガス車増加で照明もエコに!?
トンネルの照明にも幅広く使われるLEDが登場
2009年頃には、「セラミックメタルハライドランプ」が使われるようになります。発光管をセラミック製にして、発光効率を高めており、消費電力は以前の水銀ランプに比べて約半分で済みます。そしてトンネル内部を走る車両などが、自然光に近い色彩で見えることも特徴です。
さらに2012年には、LEDランプの使用も開始されました。消費電力を抑え、蛍光ランプに比べて寿命を2.5~5倍も伸ばすことが可能です。先に述べたように、トンネル内部の照明はドライバーの目を慣らせるために入口を明るくしますが、LEDランプであればこれらの調光もしやすいそうです。
LEDは信号機にも使われますが、消費電力が少ないこともあって発熱しにくく、北国では雪が溶けにくい不都合を抱えています。しかしトンネル内部の照明であれば問題はなく、特に寿命を大幅に伸ばせることがメリットになっています。
LEDランプは家庭用から車両のヘッドランプまで幅広く使われ、高速道路のトンネル内部を照らすようになったのも、当然の成り行きといえるでしょう。
トンネルの照明には、ドライバーの視覚のために独自の工夫があったりしますが、近年ではLEDのような身近な灯りも使われるようになっていたのです。
【了】
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
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