現地で約100万円! 新型「商用バン」が凄い! 全長3.6m×カクカクボディの「五菱之光EV」過去に「新車50万円の宏光」で話題の上汽通用五菱が中国で展開

上汽通用五菱は新型「五菱之光EV」を中国で展開しています。どのような特徴があるのでしょうか。

上汽通用五菱は新型「五菱之光EV」を中国で展開しています。どのような特徴があるのでしょうか。

「中国版ホンダ N-VAN e:」として話題を呼んだ上汽通用五菱「五菱之光EV」の販売が好調です。

 いったいどのようなクルマなのでしょうか。

約99万円から発売の新型「商用ハイトワゴン」登場!
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 上汽通用五菱はアメリカのゼネラルモーターズ、上海汽車、そして五菱汽車が出資する合弁会社で、中国では老舗小型車メーカーとして認識されています。

 同社のミニバン「宏光」シリーズは2010年の登場以来、小型ミニバンからクロスオーバーSUVまでさまざまな派生車種が今日までに誕生、商用・乗用問わず多様なシーンで活躍しています。

 2020年には超小型BEV「宏光MINIEV」が登場し、その3mに満たない全長、登場当初2万9800元(当時のレートで約50万円)という破格の値段設定で一躍世界的に有名になりました。

 宏光MINIEVの登場以降、後追いとして類似車種が色々と登場していますが、需要は次第に変化、今では宏光MINIEVよりも利便性が高くてより大きいモデルが主流です。

 2024年には2代目宏光MINIEVも登場しましたが、従来の3ドアに加えて5ドアも設定されたことが、需要の変化を証明しています。

 宏光MINIEVは現在でも月間2万台前後を販売しつつ、同社内の主力ポジションは全長約4mの小型BEV「Bingo」に移っている傾向が見られます。

 そんな中、上汽通用五菱は2025年2月に新たな商用BEVを発売しました。

 新たに登場したのは「五菱之光EV」というモデルで、同社のベストセラー「五菱之光」の純電動モデルとなります。

 ボディサイズは全長3685 mm x 全幅1530 mm x 全高1750 mm、ホイールベース2600 mmと、従来の五菱之光よりも11センチほど全長が短くなっています。また、エクステリアデザインは従来の五菱之光より大胆に変化。

 ホンダが2024年より販売する軽規格の商用BEV「N-VAN e:」を彷彿とさせるカクカクしながらもポップで可愛らしい雰囲気を醸し出しています。

 これまでの中国メーカーの小型商用バンではボンネットのラインが斜めに上がり、Aピラーの角度が比較的寝ているようなデザインが主流でした。

 一方で、新たに登場した五菱之光EVはボンネットがフラットになっており、角ばったシルエットを持っています。可愛らしい印象は良い意味で今までの中国系商用車と異なり、新たな客層の開拓が期待できそうです。

 五菱之光EVは装備の異なる2グレード展開で、パワートレイン自体はどちらも出力40 hp/最大トルク85 Nmのモーターをリアに配置する後輪駆動です。

 バッテリーは容量17.7 kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池と非常に小さいですが、航続距離は中国独自のCLTCモードで201 km、35分の急速充電で80%まで充電可能としています。ラストワンマイルの配達用途では十分な電動性能と言えるでしょう。

 上位グレードでは220Vの車外給電機能に加え、ホイールキャップやルーフレールも装備します。これ以外にも荷室のDC 12V電源や助手席フルフラット機構などにも対応することで、ちょっとしたレジャー目的にも便利な仕様です。

 インテリアはN-VAN e:と比較すると非常に簡素で、ディスプレイオーディオも省略されています。インストルメントパネルはバッテリー残量や車速、セレクター位置など最低限の情報しか表示しない仕様で、徹底したコストカットが図られています。

 また、ダッシュボードの質感もプラスチッキーで随所にパネルの浮きなどが確認できますが、価格を抑えた商用バンということで割り切っているようです。

 なお、サスペンション方式はフロントがマクファーソン・ストラット、リアがリジッドアクスルとなります。

 五菱之光EVのメーカー希望小売価格はベースグレードが4万7800元(約101.4万円)、上位グレードが5万800元(約107.8万円)となっており、BEVとしてはかなり安価な部類に入ります。

 販売初月の2025年2月では1995台、その翌月には3634台を販売と上々な滑り出しを記録しており、早くも通常の五菱之光(3531台)を追い越す勢いを見せています。

 消費者からは商用車らしくないスタイリッシュなデザインや街乗りには最適なボディサイズ、そしてモーター駆動によるレスポンスの良い加速感といった点が評価されているようです。

 これに加え、車内には20か所の取り付け穴が配置されている点ではビジネスだけでなく、キャンピングカーといったレジャー用途にも有用だとしています。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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