見た目以上に…「走るじゃん!」大きさ&重さを感じさせない軽快さに驚き!? BYD「シーライオン7」の印象は?【試乗記】

駆動力制御に感動!? 具体的な印象は?

 印象的だったのはステアリングだけでなく駆動で曲げると言う考え(=駆動力制御)です。

 特設コースのパイロンスラロームでは素性を見るために制御OFFで走らせると、後輪駆動モデルはアクセル操作如何で弱オーバー、4輪駆動モデルはランエボのようにゼロカウンター状態まで持ち込めるほど。

 もちろんSUVにそこまで必要かと言われると「?」ですが、これまでのBYDとはちょっと違う“味”を感じたのも事実です。

 カッコよく言えば、クルマに“魂”が込められ始めているような気がしました。

4輪駆動モデルはランエボのようにゼロカウンター状態まで持ち込めるほど。
4輪駆動モデルはランエボのようにゼロカウンター状態まで持ち込めるほど。

 これまでのBYDは「最高の技術を盛り込めば、必ずいいクルマに仕上がるはず」と言った技術屋集団的な考えが強くクルマとしてのまとまりは今一つでしたが、シーライオン7は数値に表れにくい感性領域に気づき始め、それが走りに表れています。

 以前BYDジャパン代表取締役社長の劉学亮氏は「BYDの強みは、市場の動向をいち早く捉えて製品をアップデートしていくこと」と語っていましたが、この走りもそういう事なのでしょう。

 快適性はシールで感じていた“荒さ”が無くなっています。具体的には常用域から高速域まで変わらないアタリの優しさに加えて、バネ上を動かさないフラットな乗り心地はプレミアムセグメントに片足を踏み込んでいるレベルかなと。

 ちなみに19インチを履く後輪駆動モデルはややスポーティな印象(心地よいコツコツ)、逆に20インチを履く四輪駆動モデルのほうがラグジュアリーな印象(シットリとした足の動き)に感じました。

※ ※ ※

 そろそろ結論に行きましょう。これまでハード先行のイメージが強かったBYDですが、シーライオン7はソフト面でも「BYD、アリかも?」と言えるモデルに仕上がっています。

 価格は後輪駆動モデルが495万円、四輪駆動モデルが572万円と、相変わらずの圧倒的なコストパフォーマンスにも驚きです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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