“ゴツゴツ”だけど「スポーティ」!? 新オープンカントリー“R/T TRAIL”のオフ&オンロード性能が凄すぎた
TOYO TIREが展開するSUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズの新たなタイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL(オープンカントリー アールティー トレイル)」が、2025年3月より展開されています。この登場したばかりのタイヤを、オンロードとオフロードの両方で試す機会を得たのでレポートします。
OPEN COUNTRY R/T TRAILどんなタイヤ?
TOYO TIREが展開するSUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズの新たなタイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL(オープンカントリー アールティー トレイル)」が、2025年3月より展開されています。
この登場したばかりのタイヤを、オンロードとオフロードの両方で試す機会を得たのでレポートします。

TOYO TIREのOPEN COUNTRYは、1983年に主に海外市場から展開が始まったブランドで、オンロードとオフロード両方での走行性能を重視したタイヤとして売り出されました。
誕生から42周年を迎えた現在では、同ブランドの中で、不整地や泥濘地の走行に強みを持つ、本格的なオフロード性能を備えたM/T(マッドテレーン)、オンロード中心でありながら、オフロードとのバランスも重視した全地形型A/T(オールテレーン)、その中間に位置するR/T(ラギッドテレーン)を始め、ファッショナブルなデザインと街乗り用としての静粛性を兼ね備えたH/T(ハイウェイテレーン)など、様々な種類のタイヤを展開しています。
なかでもOPEN COUNTRY R/Tは2014年より、北米市場で発売し、オフロードに対してアグレッシブな意識を持つユーザーの心を掴んできたといいます。
2016年には日本での展開も開始し、SUVの市場拡大とともに、コロナ禍のアウトドアブームなども後押しとなり、販売を拡大しました。同社ではさらに多様化するユーザーニーズに合わせて、OPEN COUNTRY R/Tのサイズラインアップを拡充してきています。
そんな中、2025年3月に展開が始まったばかりの新タイヤがOPEN COUNTRY R/T “TRAIL”です。
北米ではすでに2022年から展開が始まっているモデルで、オフロード性能とタフネスさを兼ね備えたタイヤに仕上がっているといいます。
TRAILと名前が付け加わったのを聞くと、既存のOPEN COUNTRY R/Tよりも、よりオフロード性能を高めたようなイメージを持ちますが、実際はOPEN COUNTRY R/T より“タフなデザイン”ではあるものの、OPEN COUNTRY R/T よりも“オンロード性能”を強化したタイヤという位置付けです。
これは主戦場であるアメリカでは、“トレイル”という言葉が、本格的なオフロードよりも少し軽めのオフロードをイメージさせる言葉であるためで、日本で聞くと少し異なった印象を受けるのも事実です。
タイヤのサイド周りは、より“タフなデザイン”となったと言うにふさわしいゴツゴツした形状で、ピックアップトラックやSUVの足元を挑戦的な印象に変化させます。
走行性能では、磨き上げたパターン技術による高いトラクション性能、ノイズ抑制による快適性を両立させているといいます。
また、環境に配慮したサステナブル素材も使用。2024年11月には、メキシコで開催されたBAJA1000で、同タイヤを装着したレクサス「LX」で参戦した「TEAM JAOS」がStock Full Size部門でクラス優勝を達成するなど、功績も残しています。

そんな期待のタイヤを、オンロードとオフロードの両方で試乗する機会を得ました。
まずはオンロードから。オンロードでの試乗用に用意されたのは、トヨタ「ランドクルーザー250」のガソリンエンジン搭載モデル。
OPEN COUNTRY R/T “TRAIL”とOPEN COUNTRY R/Tそれぞれを履いたランドクルーザー250が用意され、比較することができました。
既存のOPEN COUNTRY R/Tの静粛性も素晴らしいものでした。大型でタイヤとキャビンの距離が遠く、しかも重たいボディを引っ張る直列4気筒エンジンがそこそこ賑やかなランドクルーザー250のガソリンモデルで一般道を法定速度で進む限り、オフロードタイヤ特有の走行音はほとんど聞き取れない程。乗り味もかなりコンフォートで、応答遅れこそ多少感じるものの快適そのものでした。
一方のOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”は、静粛性はOPEN COUNTRY R/Tに対し少し劣った印象も受けますが、応答遅れはほとんどなくA/Tタイヤのように感じてしまう程“スポーティ”なものに仕上がっており、ブレーキング時の安心感とも相まって、BAJA1000で素晴らしい結果を残したのも頷けるものでした。
これはOPEN COUNTRY R/Tに対し、OPEN COUNTRY R/T“TRAIL”のタイヤは、少し強めに触るだけでわかるほど、かなり“固く”作られていることが要因の1つで、“スポーティ”なものとなっている一方、コンフォートさはOPEN COUNTRY R/Tに軍配が上がります。
セグメントが分けられていて、ユーザーの好みによって選べる素晴らしいラインアップだと感じましたが、前述の通り、OPEN COUNTRY R/Tに対しては少しオフロード性能をマイルドにしたというOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”は、肝心のオフロードではどうなのでしょうか。

オフロードでは、同じくランドクルーザー250の“ディーゼルエンジン搭載モデル”…しかも最上級のZXにOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”を履かせて試乗させてもらいました。
オフロードのテストコースとして選ばれたのは、タフなレイアウトで知られる「さなげアドベンチャーフィールド」(愛知県)。タイヤの空気圧は、オンロードと同じ設定にされ、“公道走行からそのままオフロードに持ってきた”状態での走行です。
実際に走ってみると、急勾配でのブレーキングや発進も、まるでオンロードを走ってるかのような、違和感がなさすぎる“ナチュラル”な走り味に驚くばかりです。
少しオンロード性能をマイルドにしたとはどういうことなのか、さなげアドベンチャーフィールドをゆっくり走っただけでは、分からないくらいでした。
※ ※ ※
素晴らしい走行性能を見せてくれたOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”ですが、前述のBAJA1000でOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”を履いたLXのドライバー「TEAM JAOS」の能登 智徳氏はOPEN COUNTRY R/TではなくOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”を選んだ理由について以下のように語ります。
「BAJA1000は、オフロードだけでなく様々な路面のある複合コースです。最初はATタイヤも検討したが、OPEN COUNTRY R/Tも含め試走し、剛性感や着地の感触、俊敏さからOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”を最終的に選びました」
OPEN COUNTRY R/Tよりもよりオンロード性能を高めたOPEN COUNTRY R/T“TRAIL”。タフなデザインのR/Tながら、スポーティな走り味を求めるユーザーにピッタリなタイヤです。
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