福井~岐阜直結「大野油坂道路」全通予定が3年延期で「2029年春」に!? 橋脚の地盤問題で設計再検討へ 北陸道~東海北陸道の「ノンストップ接続」まだまだ先に

国土交通省 中部地方整備局は2025年3月28日、福井~岐阜をつなぐ中部縦貫道「大野油坂道路」について、全通時期を「3年延期」すると発表しました。

完成は令和11年まで延期

 国土交通省 中部地方整備局は2025年3月28日、福井~岐阜をつなぐ中部縦貫道「大野油坂道路」について、全通時期を「3年延期」すると発表しました。

福井県内で整備中の中部縦貫道「大野油坂道路」(画像:国土交通省)。
福井県内で整備中の中部縦貫道「大野油坂道路」(画像:国土交通省)。

 中部縦貫道は「福井~高山~松本」という新たな東西軸ネットワークを実現する高規格道路です。

 このうち大野油坂道路は、福井県内の長い山岳地帯を走りやすくするもので、北陸道(福井)と東海北陸道(郡上)を直結し、厳しい山越えだった国道158号に代わって、トラックや観光バスの通行を現実的にし、北陸~中部のエリア間回遊が飛躍的に向上することが期待されています。

 全長は約32kmで、そのうち先行して19.5kmが2023年に開通。大野市街から九頭竜湖までが一気に結ばれ、残るは最後の1工区のみとなっていました。

 当初は2026年春となっていた開通予定。しかし今回、さらに3年延期されて「2029年春」に予定変更されました。

 現在、大半を占めるトンネル工事もほとんど全て終わっていますが、壁となったのは橋梁のほうでした。

 岐阜県側、油坂峠道路につながる「油坂IC」付近で建設中の「新子馬巣谷橋(仮)」で、不安定な地盤状況に直面したのです。

 橋脚工事は「ケーソン工法」が採用され、掘っては躯体を沈めて地下へ構築していく作業でしたが、地盤の問題でケーソンが沈下しなくなってしまったのです。ほかにも大きな地滑り面が発見されたり、逆に完成済みの橋台で沈下が確認されるなど、課題が頻発。

 これらの対策工事について、調査や設計から丸ごと再検討が必要となり、いったん予定は白紙になっていました。

 そうして今回、11回目の事業監理会議において、ついに「3年延期」の決断が下ったのです。

 この発表では、あわせて工期短縮の検討とともに「半年程度の前倒し開通」を目指している方針も明らかにされました。

 しかし同時に、追加対策工事の着手が遅れているという報告もあり、無事に予定通り開通できるか、まだ予断を許さない状況となっています。

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Writer: くるまのニュース編集部

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