信号待ちで「やたら手前で停止する車」なぜ?「停止線まで進んでよ」「意味不明」の声も…実は「周囲に優しい」行為だった!? スペース空ける「納得の理由」とは

交差点では「停止線」を過ぎて停止してはいけません。一方で、「停止線のけっこう手前」で停止する人も多いようです。一体なぜなのでしょうか。

停止線の「すごい手前」で止まるクルマ

 交差点で信号待ちする場合、手前に引かれた「停止線」を過ぎて停止してはいけません。
 
 一方で、「停止線のけっこう手前」で停止して信号待ちする人も多いようです。一体なぜなのでしょうか。

画像はイメージ(画像:写真AC)。
画像はイメージ(画像:写真AC)。

 停止線は信号の手前だけでなく、一時停止が必要な場所にも設置されます。交差点などの安全を考慮して設置されているため、停止する場合はこの線を過ぎてはいけません。

 停止線は警察が「交通規制基準」に沿って「法令により停止する場所」として定められています。基準の一部を紹介すると、横断歩道では「1mから5m手前」となっていて、この幅に適合するように、現場で適切な位置を最終決定することになります。

 道路の形状や、近隣施設、通過する車両の傾向などが加味されて、停止線は設置されます。

 ※ ※ ※
 
 さてSNSなどでは、たびたび停止線に関して「手前で止まっている」という意見があり、その是非をめぐって様々な意見が交わされています。

 また実際に見かけた人が「中途半端に距離を空けている人。あれ何の意味があるの?」「停止線にキッチリ止まらずに開けてるの意味不明」「なんで停止線の手前で止まるクルマがいるのか」など、疑問や不満を表明するコメントも。

 それに対し「周りが見えている人は運転がうまいと思う」という声も。その背景として「前方から来るクルマに配慮している行為だね」「状況に応じて距離を空けているんだよ」という声もあります。

 停止線が適切な位置に引かれているにも関わらず、あえて「少し手前で停止する」行為に、問題は無いのでしょうか。自動車安全運転センターの担当者は「極端に空いているのではなければ、特に問題はありません」と話します。

「バスや大型トラックなどが多く走行する傾向にある通りであったり、道路の形状によっては、停止線よりも手前で停止する方が安全というケースも想定されます。

 そのような状況では、ドライバー自身の判断で安全に停止、そして走行できる位置で停止することが望ましいとされています。

 信号が前方ではっきりと見え、後続車も安全に停止できる範囲内であれば、停止線よりも手前で停止したり、車間距離を多く取っても、問題ないでしょう。

 一方で、雪道や坂道などの極めて特殊な状況を除いて、大幅に停止線よりも手前で停止すると、後方からの追突事故に発展する恐れもあるので、注意が必要です」(同担当者)

 では、停止線から離れて停止することに、どんなメリットがあるのでしょうか。関東のとある自動車教習所の担当者は「自分のクルマの安全を確保するためでしょう」と話します。

「万が一後ろから追突された場合など、前方に余裕を持って停止していれば、さらなる事故を防ぐことにも繋がるなどが想定されます」(同担当者)

「また交差点でトラックなどの大型車両が曲がって侵入する際に、車体の長さから大きな回転半径を必要とします。

 状況にもよりますが、道幅が狭かったりすると、対向の大型車両が曲がりきれない場合もあるので、あらかじめ前のスペースを空けて曲がりやすくしてあげるという配慮もあるのでしょう」

 このように、ドライバーは様々な思惑で停止線との位置関係を決め、自分のクルマを停止させています。

 実際、このスペース分の長さであれば、周囲交通に対する悪影響は考えにくいため、クラクションなどで
「もっと詰めろ」といったアクションを取らないようにしましょう。

【画像】ええ…!? これが信号で「謎にスペース空けまくる」停止車両です(17枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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