20年近く経っても“東京の東西幹線”なぜ開通しない? 未開通区間に存在する「お墓」問題とは 実は「所沢直結」の壮大計画も!? 実際どうなのか

東京都練馬区で整備中の都市計画道路「放射第7号線」は、工事がほぼ大詰めにも関わらず、未開通状態が続いています。いったいどのような道路で、なぜ開通できていないのでしょうか。

練馬の幹線道路 なぜ

 東京都練馬区で整備中の都市計画道路「放射第7号線」は、工事がほぼ大詰めにも関わらず、未開通状態が続いています。
 
 いったいどのような道路で、なぜ開通できていないのでしょうか。

未開通状態がつづく放射第7号線(画像:Google Earth)。
未開通状態がつづく放射第7号線(画像:Google Earth)。

 放射第7号線は、千代田区九段北から、関越道の大泉IC付近までが開通済み。要するに「目白通り」「新目白通り」です。

 目白通りは立派な4車線道路で、都心と関越道をつなぐアクセス道路の役割を果たしています。

 しかしこの目白通りはそれで終わりではなく、実はさらに西へ伸びて、新座市・東久留米市・清瀬市を経由し、最終的に所沢市の4車線道路へつながって壮大な放射軸を形成する、戦後すぐからの計画があります。

 そのためにはまず練馬区・新座市境までどんどん延伸していく必要がありますが、その最初の工区が長年ストップしているのです。

 最大の理由は、用地取得の難航です。すでに取得済みの区間は18年前に着工し、側溝から舗装までほぼ完成形になっていますが、全部つながらないと意味がありません。

 現在は、最後まで残った未取得区間の解決に向けて、交渉が続いている状況です。

 未取得区間には寺院の墓地があって、その移設に際しての条件で、地権者と都のあいだで折り合いがついていません。

 約200基のお墓のうち、道路用地にかかるのは約130基で、都は移設費用を出すとしています。しかしお墓の一部だけ移設となっても、墓地が分断されてしまいます。そこで寺院側は丸ごと移設を希望していますが、都は難色を示しているというわけです。

 さて、こうして膠着状態が続いている目白通りですが、2024年10月に「未開通区間2kmのうち、西側の1km」を先行開通させる方針が発表されました。

 この西側の1kmは西東京市境に面していて、そこから西東京市側はすでに開通しています。「西東京北町6丁目交差点」で大動脈の南北道路「伏見通り」に直結していて、三鷹市、調布市、稲城市、多摩市方面へ広い4車線で行けるようになります。

 そして2025年2月、長い間未開通になっている区間のうち、西側半分がついに悲願の開通を迎えました。残るは、お墓の周辺の約1kmを残すのみとなりました。

 ところで、目白通りの延伸部は、さらに西東京市から先はどうなっているのでしょうか。複数の都県境が入り乱れ、混沌としており、工区もブツ切れになっている地理的要因で、なかなか一貫した事業進捗は見えません。

 とはいえ、伏見通り西側工区、新座市栗原工区(約1000m)、東久留米市神宝町工区、金山町工区、新座市新堀工区(約500m)、清瀬市中清戸工区、上清戸工区、清瀬橋工区はそれぞれ事業化済みで、いずれも基本的に用地取得の段階です。

【画像】「なんとぉぉ!」 これがブツ切れ「放射第7号線」計画ルートと整備状況です(30枚以上)

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