斬新すぎる「超レトロ顔ロードスター」公開! ベースは「マツダロードスター」って本当!? ホンモノそっくりで来場者も驚愕の「ART XKSS」がスゴかった!
「ノスタルジック2デイズ」でアートレーシングは、「ART XKSS」を展示しました。25台のみが生産されたジャガーの名車「XKSS」をマツダ「ロードスター」で再現したレプリカですが、どのような特徴があるのでしょうか。
ベース車の面影なし!「ART XKSS」がスゴい
2025年2月22日・23日にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された第16回「ノスタルジック2デイズ2025」では、さまざまなジャンルのショップが集い、過去の名車を復刻するビルダーも出展されました。
そのなかで「アートレーシング(Art Racing)」が展示した「ART XKSS」は、高い再現度で注目されていました。

世界の名だたる名車の中には、生産台数が著しく少ないものがあります。そのため、もしそれを手に入れたいと思っても、台数的な問題や価格面から断念することは珍しくありません。
かの名優スティーブ・マックイーンも愛した、ジャガー「XKSS」もその1台です。
1957年に登場したXKSSは、1950年代に活躍したジャガーのレーシングカー「Dタイプ」に公道を快適に走行できるよう内装を仕立て、フロントウィンドウ・助手席ドア、折りたたみ式ルーフなどを備えたロードゴーイングバージョンでした。
XKSSはDタイプを改造しれて生まれたため、レース用にチューニングされた3.4リッター直列6気筒DOHCエンジンなどのメカニズムは、1950年代のル・マンで幾度か優勝したDタイプの設計をそのまま継続。まさに路上を走るレーシングカーでした。
予定生産台数は25台でしたが、16台が完成した時点で工場に火災が発生。9台がラインオフできませんでした。そこで2016年、その9台が続きのシリアルアンバーを持つ「新車」として生産され、大きな話題となりました。つまりXKSSの総生産台数は、わずか25台です。
そのため価値が大変高く、「2016年モデル」でさえ1億4000万円で販売され、オリジナルの16台ともなれば20億円以上するといわれています。
しかし忠実に再現されたレプリカなら、世界の希少な名車を手に入れることができます。
レーシングカーからコンセプトカーまで幅広い分野でカスタムカーの製作を行うコンプリートカー・ビルダーのアートレーシング(名古屋市守山区)は、このXKSSを現代に復刻した「ART XKSS」を製作。今回、ノスタルジック2デイズ2025に展示しました。
丸みを帯びた美しいボディは、オリジナルのXKSSと同じサイズ。流麗なライン、フェンダーの膨らみ、小さなドア、リアの小ぶりなトランクスペースなども完全に再現されています。
車体に打たれたリベットの数も合わせてあるとのことで、その再現性に驚かされます。かくいう筆者(遠藤イヅル)も、このクルマがレプリカだとは思わなかったほどです。
レプリカの場合、何らかのベース車が存在しますが、ではART XKSSのベースをパッと見て当てることはできるでしょうか。
正解は、マツダ「ロードスター」。レプリカではインテリアにベース車の面影が残ることがありますが、ART XKSSはダッシュボードのみならずシート、スイッチ類まで徹底して再現。
ダッシュボードの下から少し覗く空調のパネルが、ベース車の名残をわずかに示しています。
実車同様に大きく前方に開くボンネットの中には、ロードスター用の4気筒エンジンが載っています。
しかし、単にエンジンを流用するのではなく、燃料噴射方式を純正の電子制御インジェクションからウェーバー製のツインキャブ化することで、豪快かつクラシックな外観に似合うフィーリングを獲得。
ベース車のパワーステアリングやエアコンも残されており、幻のスポーツカーであるXKSSを快適に安心して乗ることができます。
足元にも注目です。オリジナルのXKSSのホイールは、スピナーを用いたセンターロック式ですが、ART XKSSでは、通常のスチールホイールの上にセンターロック風のホイールカバーを装着。1950年代のスポーツカーが持つ足回りの雰囲気を再現しています。
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ART XKSSの価格は「復刻版」のおよそ8分の1となる1757万8000円から。
25台しか作られなかったXKSSは事実上入手することは不可能に近いですが、素晴らしく再現されたこのART XKSSでその夢が叶うのならば決して高価ではないように感じました。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
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