大きな「ミニ」と小さな「ミニ」何が違う? 最も売れてる“輸入車”「最新モデル」を比較! 共通する「世界観」とは【試乗記】
日本自動車輸入組合(JAIA)主催の第44回「JAIA輸入車試乗会」で、カーライフジャーナリストのまるも亜希子氏が、2024年に世代交代を果たした「MINI(ミニ)」シリーズの大小2モデルを比較試乗しました。それぞれどのようなクルマだったのでしょうか。
車名が「ミニクーパー」に統一された最新3ドアモデル
日本に「NEW MINI(ニューミニ)」として導入されてから20年以上が経過し、2024年にフルモデルチェンジを果たしたMINIシリーズ。年間モデル別輸入車登録台数で8年連続1位を獲得するなど、高い人気を誇っています。
今回は、その中で最もコンパクトな3ドアと最も大きなSUVの2モデルで、新世代MINIを体感してみました。

新世代MINIの先陣を切って日本にやってきた3ドアモデルは、ガソリンモデルに加えてBEV(バッテリーEV:電気自動車)もラインアップ。
名前は、日本人に最も親しまれてきた「MINI COOPER(ミニクーパー)」に統一されました。
従来のベーシックグレード「ONE」にあたる1.5リッター直列3気筒の「クーパーC」と、従来の「クーパー」や「クーパーS」にあたる2リッター直列4気筒の「クーパーS」、そしてMINI量産モデル初となるBEVが「クーパーSE」というグレード構成となっています。
また、日本のみならず世界的に大人気となっているコンパクトSUVモデルの「ミニ クロスオーバー」は、フルモデルチェンジに伴い、世界共通の名前である「MINI COUNTRYMAN(ミニ カントリーマン)」として新たに導入されました。
こちらはガソリン、ディーゼル、BEVをラインアップしており、四輪駆動となる「ALL4」も設定されています。
今回はミニクーパー3ドアCと、ハイブリッドシステム搭載モデルとなる高性能版「ジョン・クーパー・ワークス(JCW) カントリーマン ALL4」を乗り比べてみました。
まずクーパーCは、パッと見た限りではクーパーSとまったく見分けがつかない、未来的で上質感のあるデザインとなっています。
ボディサイズは、全長3875mm×全幅1745mm×全高1455mm、ホイールベース2495mmと相変わらずコンパクト。
ホワイトルーフに、ぴょこんと伸びるアンテナ、ブラックのドアハンドルで、ホイールのデザインとタイヤの銘柄がネクセンとなるのはC専用で、フロントグリルに「S」のエンブレムがないのも違うところです。
でも室内に入るとますます違いは見当たらず、リサイクル素材を積極的に使っているとは思えない、とてもオシャレでセンスのいいインテリアが目をひきます。
リボンのようなストラップが収納やステアリングホイールなどにアクセントとして使われているのが、新しくもありどこか懐かしさもあり、さすがMINIだと感心します。
インパネ中央には、BMW MINIになってから受け継がれてきた大きな丸型のディスプレイが、今回は円形有機ELセンターディスプレイとなってドーンと置かれています。
エンジンを始動するとパッと鮮やかな色やイラストで目をひき、実用性と遊び心を両立したいろんな画面が次から次へと出てきて、見ているだけでテンションアップ。
オリジナルキャラクターであるスパイク君に話しかけ、目的地をセットしてもらったりエアコンの操作をしてもらったり、頼もしい相棒が一緒に出かけてくれる気分になります。
インテリアの雰囲気を変えたり、走行モードをノーマルから省燃費やスポーティに変えることができるMINIエクスペリエンスでは、その日の気分やシーンに合わせたドライブが可能。
まずはノーマルモードの「CORE」にすると、意外にも落ち着きがあってなめらかな加速フィールです。
ステアリングフィールは少し軽いかなと思うところもありますが、挙動が穏やかでコントロールしやすく、のんびりと走るにはちょうどいい感覚。でも、自分の右足次第で一気に鋭いレスポンスでダッシュすることも可能です。
また、MINIエクスペリエンスで「GO-KART」を選ぶと、さらにモリモリと湧き出すような速さが飛び出します。
音の演出も楽しく、ステアリングフィールまで少し重めになったのは気のせいかどうか。その瞬間から、海辺のカートコースを駆け抜けているかと錯覚するくらい、スカッと爽快な走りが楽しめました。
クーパーCはエントリーグレードながら、リラックスしたドライブだけでなく、ドライバーを絶対にガッカリさせない、瞬発力や余裕のパワーも持ち合わせているMINIらしいモデルでした。
ミニクーパー 3ドアCの車両価格(消費税込み)は396万円です。
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