可愛らしさ全開! 「ミニ」はファミリーに向いている? 3ドアより「5ドア」はどう? ポイントは後席空間?【体感記】
ミニクーパー5ドアは3ドアによりいいけど? ファミリーとしては使えるのか
確かに3ドアよりはいい。それは間違いありません。3ドアだと足をどうやって置こうか悩むほどタイトな後席足元空間ですが、5ドアならそこが拡大しているので恩恵として感じられます。
しかし、そんな5ドアでも満足できるかといえば、筆者はそうとは思いません。
3ドアよりも広いとはいえ、一般的な水準で判断すれば5ドアでもかなりミニマムなスペース。残念ながら「十分」とか「余裕がある」とは言い難いのです。
ラゲッジスペースもファミリーカーとして考えたときに、もうひとつ気になるポイント。通常時の広さは3ドアの210Lに対して、5ドアは275Lと確かに拡大されています。
しかし、それで十分かといえばファミリーカーとして考えれば結構厳しい。

275Lといえばなんと(ジャンルは違ってスポーツカーだけど)ポルシェ「718ケイマン」の車両後部の荷室と同じ容量(しかもケイマンは車両前部にも150Lのスペースがある)。
確かにトヨタ「ヤリス」の270Lやマツダ「マツダ2」の280Lと同様ですが、クルマとしては狭い部類です。
参考までにトヨタ「ヤリスクロス」は390Lあり、このくらいになってやっと「ファミリーカーとしても事足りるかな」という印象を抱けるのが一般的な感覚ではないでしょうか。日常生活なら275Lでも問題ないですけどね。
というわけでミニクーパー5ドアの275Lは、4人で1泊2泊の温泉旅行に行くこともできるけれど「荷物は最小限にまとめないといけない」という広さ感。機内持ち込みサイズのキャリーケースを4個積もうというのは無理です。
その先、キャンプやウインタースポーツといった、道具がかさばるレジャーに3人以上で出かけるのは厳しいと思ったほうがいいでしょう。

というわけで、結論。
ミニクーパー5ドアは便利なクルマではあります。しかし、ファミリーカーとして使うのはあまり推奨できません。
理由は後席足元に余裕があるとは言えない(大人4人はツライ)ことと、ラゲッジルームの広さがファミリーユースには不十分だからです。
では、ファミリーカーとして使うこと前提にMINIを選ぶならどうすればいいか。
それは迷うことなく、カントリーマンを選ぶべきでしょう。
これなら後席にも大人2人が快適に座れる広さがあるし、ラゲッジルームのゆとりだってあるのですから。
もうひとつの考え方としては「足りないときはレンタカーやカーシェアを利用する」ことを前提としたミニマルライフもアリかもしれません。
日常は小さなクルマ(ミニクーパー5ドア)で過ごし、家族で遠くへ出かけるときはカーシェアやレンタカーで大きなクルマを借りて出かけるというわけ。
ミニクーパーのような小さなクルマは駐車など日常の運転が楽だし、都市生活ならミニバンやSUV用ではなくセダン用(背の低いクルマ用)の機械式立体駐車場を活用できるというメリットだってある。
そんな小さいクルマと“大きなクルマ”を使い分ける“二重生活”的なミニクーパー5ドアとの生活も悪くないかもしれませんね。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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