ホンダ新型「プレリュード」25年秋発売へ! 「復活は大歓迎!」でも一体誰が買う? 500万円級の「2ドアクーペ」ヒットさせる方法はあるのか?

ホンダが「プレリュード」を復活させ、2025年秋に新型モデルを発売する予定です。かつて2ドアクーペとしてラインナップされたモデルですが、新型は“ヒット車”となるのでしょうか。

新型「プレリュード」果たして売れるのか?

 ここにきて、ホンダ新型「プレリュード」が頻繁にメディアに紹介されている。
 
 久々の2ドアクーペとして2025年秋にも発売される予定で、皆さん期待値100%といった内容だが、新型プレリュードは果たして売れるだろうか。じっくり考察してみたい。

ホンダ新型「プレリュード」2025年秋登場!
ホンダ新型「プレリュード」2025年秋登場!

 まずプレリュードはなぜ消えたのかということだが、考えるまでもなく「売れなかったから」です。

 売れない理由はいくつか考えられる。おそらく多くの人は「商品としての魅力に欠けていた」と思うだろう。実際、最後のプレリュードってカッコ悪かったです。

 しかしプレリュードのライバルも同じようなタイミングで姿を消している。プレリュードの販売停止は2001年で、日産「シルビア」は2002年。ちなみに7代目になったトヨタ「セリカ」は2006年まで粘ったものの、やはり販売台数激減により絶版になってしまった。

 つまり2リッタークラスの2ドアクーペは全般的に売れなくなった、ということになる(中古のシルビアは今でも人気があるのだが)。

 現在進行形で考えるとどうか。世界を見て2ドアクーペの人気車は皆無。ごく一部の高額車を残すのみ。世界で一番クーペ需要が多いアメリカすらメルセデス・ベンツやBMWなどに限られる。

 そんな中、2ドアクーペのど真ん中であるプレリュードを出したら売れるのだろうか。もっと言えば「誰が買うか」です。

 1990年代まで、2ドアクーペのメインユーザー層は30歳代の独身男性だった。我が国では団塊の世代です。アメリカだとベビーブーマーと呼ばれる第2次世界大戦終了後の数年間に生まれた人がたくさんいる。

 1949年に生まれたとすれば、1979年には30歳。爆発的に売れた2代目プレリュードが1982年の登場です。売れ行き急増になった3代目シルビアは1979年発売。独身者や結婚したばかりの家庭のクルマとして考えればカッコ良かったと思う。

 10年後の1989年になると、団塊の世代の皆さんも子どもが育つ時期で、当時は三菱「パジェロ」やスバル「レガシィ」に代表されるRV人気が始まった。この時点で2ドアクーペの売れ行きは急激に下がり、プレリュードもシルビアも次期型の開発を中止した。

 ちなみに今や団塊の世代は孫との3世代を迎えたため、3列シートのミニバン需要が出てきた。日本のクルマの売れ行きは団塊の世代が決めてきたワケです。

 新型プレリュードである。70代を越えた団塊の世代は免許返納する時期だったり、年金生活中。500万円もするような2ドアクーペは買えない。というか、乗り降りに苦労するはずだ(笑)。

 メインターゲットになる独身者の多い30歳前後の人からすれば、2ドアクーペよりSUVのようなプラスαの使い方が出来るクルマを選ぶことだろう。一体誰が新型プレリュードを買うのだろうか。

 メディアは単純に「こんなクルマあったらいいよね」という無責任な記事を載せる。読者層もノスタルジーで「いいね!」と思う。そんなメディアの皆さんやライター達が500万円の新型プレリュードを買うとは思えない。

 アメリカも同じようなノスタルジーを持つけれど、やはりベビーブーマーは高齢。若い皆さんはプラスαを求める。日産「フェアレディZ」ですら2024年に2493台しか売れなかった。

 市場分析をしてみると、新型プレリュードがどんなに素晴らしいハイブリッドを搭載してきたとしても、爆発的な売れ行きになるかといえば、そうならないと思う。

 もちろん「2ドアクーペの中では」という条件であればホームランにこそならないだろうが、ヒットするに違いない。クルマ好きとしてはプレリュードの復活は大歓迎したいと思う。素直に嬉しい。

 2塁打にする方策ならある。ヒントはポルシェ「911ダカール」だ。

 新型プレリュードの車高を上げ、クロスオーバー風に仕上げることでアメリカでの売れ行きを2倍以上に伸ばせると思う。

 それなら日本でも新型プレリュードの売れ行きを1.5倍にするくらいの効果があるんじゃなかろうか。

 CGで新型プレリュードのクロスオーバーを作ってみると超カッコいいです。私(国沢光宏)もそれなら気持ちが動く。

【画像】超カッコいい! これが「新型プレリュード」です! 画像を見る(30枚以上)

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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