海外では「神」扱い? 日産スカイライン「GT-R」が海外で大人気の謎

アメリカで神格化されている「GT-R」

 「GT-R」がアメリカで神格化された理由はなぜなのでしょう。現地でスカイラインGT-Rのオーナーに聞いてみました。

スカイラインGT-Rのエンブレムバッジ(再生産品)

「アメリカで大ヒットした映画『ワイルドスピード(原題:The Fast and The Furious)』シリーズや、TVゲームの『グランツーリスモ』シリーズなどで、『日本車=高性能車』というイメージが強い。

 その中でも、これまでアメリカ市場に輸出されなかったスカイラインGT-Rが今、神格化されている」というのです。

 そのため、製造から25年が経過したR32型スカイラインGT-Rは現在、輸出業者の手によって次々と海を渡っています。

 中でも安価に購入できる前述のような「修復歴あり、走行距離不明」のような若干怪しい車両を購入し、少し手直ししてプレミアム価格を付けアメリカで販売されているのが、格安なR32型スカイラインGT-Rが日本国内で減少した理由の一つなのです。

 またその一方で、アメリカ市場でも合法的に乗れるようになったことで、程度の良いものが欲しいと考える富裕層ももちろん存在します。そのため、国内のオークション会場では輸出を目論むバイヤーが良質な車両を買い求め、相対的に相場が上昇しているという側面もあるようです。

 さらに海外での需要が高まるにつれて、その車種が盗難被害のターゲットになるという悲しい事件も増えてきてしまっているのは由々しき事態といえます。

 日本車が海外で高い評価を受けるのは嬉しく思える反面、貴重な車両が海外へ流出してしまうこともまた事実です。
 
 以上の観点から、現在の相場から価格が大幅に下がることは考えにくいので、購入を検討している人は早めの決断が吉といえるかもしれないです。

【了】

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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