スバル「レヴォーグ レイバック」都会派だけど雪道性能は“ガチ”だった! 快適ワゴンSUVが悪路で見せた真の実力とは?

スバルSUVらしい頼もしい走破性が魅力的

 酸ヶ湯温泉へ向かう山に登るにつれてウエット、ブラックアイスバーン、シャーベット、圧雪と路面状況は時々刻々と変化していったのですが、レイバックは何事もなく“普通”に走ることができます。

 もちろん雪道では無理な走りは禁物ですが、普通に走る限りは危険な思いやドキドキ・ハラハラすることは無く、常に冷静にドライビングが可能でした。それは結果として安全運転にも繋がっています。

スバル「レヴォーグ レイバック」
スバル「レヴォーグ レイバック」

 それはなぜかというと、レイバックにはスバルの他のSUVに装着される悪路走破性をより高めるデバイス「Xモード」こそ非装着ですが、伝統のシンメトリカルレイアウト+常時四駆(ACT-4)であることに加えて、最低地上高はクロストレックと同じ200mmなど、基本的なメカニズムは他のスバルSUVと同じところにあります。

 要するに、レイバックはスバルラインナップの中では「オンロード主体」ですが、「乗用車+α」といった感覚のライバルのそれとは根本的な考えが異なり、中身は想像以上にガチなのです。つまり、スバルAWDの原点である「ジープ並みの悪路走破性」と「乗用車の快適性」の両立という思想は、レイバックも例外ではないというわけです。

 ただ、その頑固さが故にオンロードでは少々不便なこともあり、そのひとつが最低地上高。200mmを実現させるために全高が1570mmとなっていて、1550mm以下のタワーパーキングに駐車できないのです。

 開発陣に「オンロード主体ならば最低地上高180mmでも十分なのでは?」と聞くと、「スバルSUVの条件は最低地上高200mmなので」との回答。この辺りの課題は過去のスバル車に採用されていた車高調整可能な電子制御エアサスペンション(E-PS)の進化系などがあると解決できるかもしれません。

※ ※ ※

 レイバックは、ただ単にレヴォーグを“クロスオーバー化”させただけのモデルではなく、個人的には現時点でスバルSUVラインナップの中でオンロード~オフロードを最も「気負いなく」「シームレス」に走ることができるモデルだと感じました。

 現在はモノグレードの設定ですが、国内販売が終了する「レガシィ アウトバック」のユーザーの受け皿になるようなハイグレードなモデルや、STIスポーツのようなスポーティなモデルなど「選択の幅」が広がると、さらに魅力が増すのではないでしょうか。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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