意外と知らないバイク用タイヤのアレコレ 溝の力で雨にも強い
タイヤは、黒いゴムがくるくると回っているだけではありません。名刺一枚分の接地面積でさまざまな仕事をしてくれています。
回る間に仕事をこなすタイヤの進化とは!? タイヤの仕事とは……!?
黒いゴムがグルグル回っているふうにしか見えないので、大きな仕事を担っていることをついつい忘れがちになってしまうのが「タイヤ」です。地面と唯一接触し、名刺1枚分と言われるわずかな接地面積で、タイヤはさまざまな仕事をしてくれています。
まず、オートバイの車体重量に耐えて車体を支えなければなりませんので、強度が必要です。そして走行中のタイヤは接地部分でへこみ、すぐに円形に戻るという変形を繰り返しています。
オートバイ用として発売されているタイヤは対応荷重域の最適なものであり、また速度域も想定し作られています。
忘れてならないのが衝撃を吸収するタイヤの良し悪しによって乗り心地が左右され、また路面への密着度が高ければグリップ力が上がり、走行安定性やコーナーを曲がるときの旋回性、加減速性能などにも大きな影響を及ぼします。
通常使われているタイヤは、U字型にしたゴムをホイールのリムと呼ばれる部分にはめ込む形状を保ちますが、その内部構造はじつに複雑です。
地面と接する「トレッド」には溝を掘って、雨天時の水をそこから排出し、密着性を保ち滑らないようにするほか、さらにゴムと路面との摩擦を上げようと「コンパウンド」(研磨材)を配合し、熱を利用してタイヤ表面のゴムを少しずつ溶かしてグリップ力(接地力)を高めています。
タイヤ開発技術は日々進化しており、オートバイ用高性能タイヤは毎年のように新製品が登場しているのが現状です。