お値段45万円! ボロボロすぎな軽バン「中古ハイゼット」出現! レトロだけど「サビあり・傷あり・シートシワシワ」の状態… 一体何があった? 「くたびれ感」そのままの理由とは

「風化した状態」がいいってホント?

 実はこのハイゼットの正体は、経年劣化した部分はそのままに、さらに汚した加工をわざと施して古びた演出で販売されているのです。

 クルマはきれいなほうがいいのに、なぜわざわざ「ボロく見せる」ようなことをするのでしょう。

1981年式ダイハツ「ハイゼット」の中古車(画像提供:BAKUYASU AUTO バクヤスオート)
1981年式ダイハツ「ハイゼット」の中古車(画像提供:BAKUYASU AUTO バクヤスオート)

 愛車をきれいに保って乗るのとは反対に、ボロボロになった外観やキズ、サビなどをそのまま楽しむというクルマの価値観「ラットスタイル」というものが存在します。

 何十年も経てばクルマは自然と劣化し、それまでの物語とともになんとも言えない味が出てくるもの。

 時を経て、完全に風化してしまった見た目でも、それは長い歴史を刻んできた証であり、そうしたクルマにしかない雰囲気をカッコよく感じる。

 それがラットスタイルカルチャーで、20年ほど前のアメリカで流行が始まったようです。

 クルマの見た目が、あたかも“ドブネズミ”のように汚いことから、いつしか「ラット(rat=ネズミ)スタイル」と呼ばれるようになったといわれています。

 しかし、実際に朽ちた風合いを新しい年式のクルマで楽しもうとすると、塗装を剥がしたり、海岸で放置したりしなくてはならず、手間がかかります。

 そこで、ボロボロでくたびれた外観をうまく再現するテクニックが発明されました。この手法を「ラット加工」や「エイジング加工」と呼ばれています。

 今回の汚れたハイゼットバンも、こうした手法でボロボロ風に仕上げたうえで販売されているのです。

 実際に日本でも、劣化した姿が好きというファンがいるようです。

 これは古着の流行と同じで、ジーンズの色褪せや傷があったほうが価値があり、好まれるなど、従来のマイナス点がそのものの個性として評価される流れがあります。

 クルマも同じく、近年ではこうした経年劣化した感覚が受け入れられ、それを演出する加工も定着しているのです。

 物件を出品したバクヤスオートの担当者は、ラットスタイルのクルマの需要について、「ラット、エイジング系は弊社では過去に販売実績多数で、人気のある加工です」と話します。

 いまのところ、このハイゼットバンをベースにラット加工した中古車は、全国で1台しかありません。

 そもそも、同じ加工をすることはできないので、フロントだけ白くなったスタイルも、シートのヘタリも、くたびれたドアの内張りも、世界に1台だけのオンリーワンです。

 そんなハイゼットの反響について、前出の担当者は「『ボロイ、味があっていい』等のお声をいただいています」と話します。

 ネット上でも好評な様子が見受けられ、たとえば、「こういう昔から乗ってます的なのがいい」という声がみられます。ほかに「カサカサ感がよい」「このまま乗りたい」という人もいるようです。

 ちなみに、同担当者によると、おしゃれな感じに直すのもありなのだとか。新車に近づけるのではなく、素材のうま味を活かしつつ自分好みに変身させていくのが楽しそうです。

※ ※ ※

 今回のラットスタイルのハイゼットバンは、車両本体価格が35万円、諸費用10万円を加えると支払い総額は45万円。

 車検整備と法定整備で必要な費用は支払い総額に含まれ、車検は1年新規取得です。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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