ホンダの「二輪事業」どうなる? カーボンニュートラル対応や電動化の行方は? 今後は「電動過給機付きV3エンジン」も登場へ
二輪のカーボンニュートラルや電動化はどうなる?
ホンダは、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指しています。
そのため、内燃機関の進化にも継続的に取り組みながら、環境戦略の主軸として二輪車の電動化を加速。
これに加え、環境負荷ゼロの循環型社会を目指したコンセプト「Triple Action to ZERO」の方針のもと、脱炭素化に向けたさまざまな取り組みを進めています。
ホンダでは、二輪車ならではの幅広いニーズや使用環境に対応しながらカーボンニュートラルを実現するため、内燃機関の環境負荷低減にも継続的に取り組んでいるようです。
具体的には、燃費改善によるCO2削減に加え、ガソリンやエタノールなどの混合燃料に対応するモデルとして、ブラジルで導入実績のあるフレックスフューエルモデルの適用地域の拡大を進めてきました。
インドでは他社に先駆けてフレックスフューエル対応の「CB300F」を投入するなど、地域のエネルギー事情に合わせた商品展開を図っています。

そして、電動化に関してホンダは、2030年の世界における電動二輪車の年間販売台数目標を400万台、2030年までにグローバルで30機種の電動モデルを投入することを目指しています。
この達成に向けて、2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪市場への参入を本格化。
2024年10月には、インドネシアで交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を搭載した「CUV e:」、固定式バッテリーを搭載した「ICON e:」という電動グローバルモデルを発表。なおCUV e:は、欧州・日本を含む20か国での販売を予定しています。
また、2024年11月には、インドでもHonda Mobile Power Pack e:を搭載した「ACTIVA e:」、固定式バッテリーの「QC1」を専用モデルとして発表しました。
これにより目標となる30機種中、13機種を投入し、計画を着実に進めています。
また、EICMA 2024では、ホンダ初のスポーツモデルの電動二輪車「EV Fun Concept」。
ホンダが考える近未来の都市型モビリティを具現化した「EV Urban Concept」を公開しています。
また電動化の加速に向けては、充電・利用環境の整備も重要です。
日本、インドネシア、タイ、インドでは、交換式バッテリーを搭載する電動二輪車の普及強化に向けて、現地法人Honda Power Pack Energy India Private Limitedによるバッテリーシェアリングサービス事業を展開。
ACTIVA e:の発売にあわせて、インドのベンガルール、デリー、ムンバイの三都市で、街中でバッテリー交換ができるシェアリングサービス「Honda e:Swap(ホンダ イースワップ)」を開始しており、バッテリー切れの不安や充電の待ち時間を解消するとともにより安心な移動体験を提供するとしています。
また、インド全土6000店舗の販売ネットワークを活用し、アフターサービス、メンテナンスを強化。
今後順次投入していく固定式バッテリー搭載車両の電欠不安に対しても、この幅広いネットワークを生かして充電網を拡充していくとしています。
またカーボンニュートラルの実現に向けては、バッテリーの二次活用やリサイクルなど、リソースサーキュレーションの観点での取り組みも重要です。
インドでは、分散型電源・グリッド事業を展開するOMCパワー社と協業し、使用済みのHonda Mobile Power Pack e:をインドの電力不安定地域および非電化地区での給電装置として活用することで個人商店や学校においての給電に役立てる取り組みを開始したと言います。
さらには、今後貴金属などの素材のリサイクルを含めた、循環型バリューチェーンの構築に取り組んでいくようです。
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