トヨタの高級車「クラウン」は、トヨタ独自の国産技術で開発された初の量産型乗用車です。
　
　現行の16代目は、多様性が求められる時代に対応するため、セダンとSUVを融合させた新たなスタイルの「クロスオーバー」、優れた操作性でスポーティな走りを楽しめる「スポーツ」、新たなフォーマル表現を取り入れた「セダン」、大人の雰囲気と快適な走行性能を兼ね備えた機能的なSUV「エステート」という4つのモデルを展開し、大きな進化を遂げました。
　
　そんなクラウンシリーズのなかには、中国市場専用の「クラウンクルーガー」というモデルが存在します。

　クラウンクルーガーは、中国市場でデビューした7人乗りのフラッグシップSUVです。

　トヨタは1964年に中国市場に参入し、最初の主力モデルとしてクラウンを発売しました。

　その後もトヨタは中国の消費者のニーズに応えるため、常に優れた車づくりに取り組んできました。

　そして2021年、一汽トヨタから、トヨタの約30年にわたるハイブリッド技術の経験が生かされた中国専用の新型SUV、クラウンクルーガーが誕生しました。

　ボディサイズは全長5015mm×全幅1930mm×全高1750mm、ホイールベース2850mmで、広々とした室内空間を備えています。

　外観は全長5015mmの堂々としたボディが圧倒的な存在感を放ち、流れるようなサイドラインが伸びやかで力強いシルエットを強調します。

　足元には20インチのアルミホイールを装備し、力強さの中にも洗練された印象を与えるデザインです。

　ボディカラーはシルバー、ホワイト、ブラウン、ブルー、ブラック系の全5色から選択可能です。

　インテリアは3列7人乗りのレイアウトを採用しています。

　長さ520mmの広々としたトランクルームを確保し、さらに乗車人数や荷物の量に合わせて2列目と3列目のシートを折りたたむこともできます。

　フロントガラスとフロントサイドウインドウには遮音ガラスが採用されており、走行中の車内の静粛性が大幅に向上しています。

　センターコンソール、センターアームレスト、ドア内側パネルの周囲には木目調の装飾が施され、フロントインテリアの質感を高め、上質で洗練された雰囲気を演出します。

　安全性能面では、PCS（プリクラッシュセーフティシステム）が改良され、「単眼カメラ」と「ミリ波レーダー」により、より多くのシーンで衝突被害軽減ブレーキが作動します。

　また、PVM（パノラミックビューモニター）により周囲の状況を把握でき、さまざまな運転シーンで安心のサポートを提供します。

　パワートレインは2種類用意されており、2.5リッターハイブリッド（システム最高出力246PS）はFFと4WDの両方を設定。

　もう1つの2リッターターボ（最高出力248PS）は4WD専用で、力強くスムーズかつ爽快な運転体験を実現します。

　こうした豊富な選択肢で、中国ユーザーのニーズに応えています。

　なお、価格は28万4800元（約574万円）から33万2800元（約691万円）に設定されており、2024年6月の改良ではグレードによっては従来モデルより最大3万5000元（約70万円）の値下げが行われ、これも大きな魅力となっています。