2025年1月10日から12日に、カスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」が幕張メッセ（千葉県美浜区）で開催されました。
　
　数多くの車両が展示されるなか、遠くから見るとミニカーのようなホンダ「NSX」を見つけました。
　
　一体どのようなクルマなのでしょうか。

　この“ミニNSX”とも言えるモデルは「miNiSX660」と名付けられ、カスタムを手がけたのは、エアロやリペアヘッドライトなどをプロデュースするカスタムカーショップのWAISE SQUARE（ワイズスクエア／新潟県新潟市）です。

　このカスタムを行う動機として、ワイズスクエアの塚野さんは、

「小さいクルマでNSX作ろうと思って、最初はホンダ『ビート』でやろうかと考えたのですが、ホンダ『S660』の方が作りやすかったというのもあるし、今エンジンフードがブラックだけど、将来的にクリアで作ったらエンジンも見やすいかなと思って、S660をベースに作った」

　と言います。

　NSXといえばホンダが誇るスーパースポーツカーで、数あるモデルのなかでも、今回のオマージュ元となっているのは、1990年から2005年まで販売された初代モデル。

　当初はリトラクタブルヘッドライトが使われていましたが、衝突安全性を確保することや重量低減のために、2001年12月にマイナーチェンジを受け、固定式のヘッドライトに変わった経緯があります。

　このmiNiSX660にはリトラクタブルヘッドライトの初期モデルのデザインを採用しているのもポイントです。

　なおリトラクタブルヘッドライトは固定式になり閉じることはできませんが、その再現度は見事なもの。

　また今回披露した車両にはフォグライトを入れてありませんが、会場で配られたパンフレット内に掲載されていたモデルにはフォグライトが仕込まれており、将来的にはフォグライトが追加されて、よりNSXっぽい感じに仕上がりそうです。

　くわえて、フロントバンパースポイラー、サイドスカート、リアバンパースポイラー、リアウイング、リアフェンダー、フロントフェンダー、エアロエンジンフード、リトラクタブヘッドライトなどが主なパーツで、細かくいうと18点くらいのパーツで構成されています。

　前後フェンダーやサイドスカートの完成度も高く、リアウイング、リアバンパーも言わずもがなという感じです。

　なかでも、テールランプは“本物のNSX”のテールランプが装備されていることで、より忠実に再現されています。

　とはいえ、本物のNSXを採寸して純粋にスケールダウンさせれば良いかと思えばそうでもなく、車体に合わせてバランスをとりながらスケールを合わせる必要があるとのこと。

「現車ありきで作ってしまうとバランスが悪くなってしまうし、従来のパテを持ったり発泡ウレタンを削ったりしながら製作していくと、職人の腕によって違う感じになってしまうし、想いが入ると少し違ってしまう。

　今はスキャナーや3Dデザインの性能が上がったことで、精巧に作りやすくなった。」

　と、最新技術を駆使し本物感を出す過程を語ってくれました。

　一方で中身は現代のS600となれば走りも楽しめそうな雰囲気です。

　本物のNSXはコレクションカーとして絶大な人気と高価格帯で取引されるクルマになってしまいましたが、miNiSX660なら気軽に楽しめるかもしれません。

　なお現在は製品化に向けて鋭意準備中で、フロントバンパーは純正コンビネーションランプの設定と、オプションでフォグランプの設定も行うそう。

　2025年中に発売を目指しているといい、完成が楽しみな1台です。