モデューロがスーパーGTに「NSX GT3」で本格参戦!Drago CORCEがGTレースに復帰
若干23歳でスーパーGTの大舞台デビューの大津選手
さて道上選手や福田チーフも語った若手育成の話ですが、今回のパートナーである大津弘樹(おおつ・ひろき)選手は、若干23歳のヤングガン。カート、FIA-F4選手権へとステップアップを重ね、現在は「TODA RACING」で全日本F3選手権を戦う生粋のフォーミュラドライバーです。
そんな大津選手に、いきなりスーパーGTという大舞台にデビューすることになった感想を尋ねると、「今年はチームのために、ポールポジションを獲りたいですね」と勢いのあるリップサービスをしてくれました。
またNSXの印象に関しては「確かにNSXは普段乗っているフォーミュラカーに比べて大きいので、ブレーキングポイントの違いや車体の動きなどに最初は少し戸惑いました。でも乗り込んで行くほどに、クセのないマシンであるとわかってきました」と語っています。
これはNSXがフォーミュラカーや本格的なレーシングカーと同じ、エンジンを縦置きにしたミッドシップレイアウトを採っているからでしょう。
大ベテランである道上選手と組むことに緊張はありませんか?という意地悪な問いに対しては、「それはまったくないんです(笑)。というのもボクは、SRS-F(鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ)時代から道上さんが先生なんですよ。ですからボクの運転の仕方やセッティングの傾向も理解して頂いていますし、安心してシーズンが過ごせると思っています」と、やはり満面の笑顔で語ってくれました。
また道上選手は、「前回のテストでは日本仕様のガソリンに合わせたエンジン・マップを熟成させる時間がなく、まだまだ本当にその素性を確認する程度だったのですが、それでもNSXには素性の良さを感じることができました。市販車とは実際大きく異なる部分もあるのですが、それでも乗りやすさとしては共通するものがある。そのマージンを攻める方向に上手に使って行きながら、今シーズンはマシンを作りあげて行きたいと思います」とNSX GT3の印象を語ってくれました。
まだまだこれ以外にも、紹介しきれない沢山の魅力を持っている「Modulo Drago CORCE」。今後もModulo Drago CORCEの動向を追いかけながら、ひとつずつしっかりと紹介して行きたいと思います。
4月7日(土)には、2018年スーパーGTの第一戦が、岡山国際サーキットで開幕します。
【了】
Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。