いま日産に必要なのは「廉価なSUV」! 最適モデルは“中国”に存在!? 国内販売を期待したい小型SUV「キャシュカイ グローリー」とは
今の日産に最適な“ニューモデル”「キャッシュカイ グローリー」
ビッグマイナーチェンジを機に、フロントデザインに「ノートオーラ」や「セレナ」、北米「キックス」などと同じ最新の「デジタルVモーショングリル」とLEDコンビネーションライトを採用し、イメージを一新させました。
18インチホイールもデザインを新調したほか、インテリアには「アリア」や「エクストレイル」と同じ12.3インチの大型モニターも投入されています。

ボディサイズは、全長4407mm×全幅1837mm×全高1610mm、ホイールベース2646mm。
パワートレインは2リッター直列4気筒「MR20」型エンジンで、7速マニュアルモード付エクストロニックCVTと組み合わせます。駆動方式はFF(前輪駆動)のみです。
中国での販売価格は、新型(3代目)キャシュカイが13万9900元(約295万円)からであるのに対して、キャシュカイ クラシックは12万5900元(約265万円)からと、新型よりもおよそ10%安い価格設定。
見栄えは最新型にリフレッシュされたこのキャシュカイ グローリーについて日産関係者は「ベースは古いモデルとはいえ、中国市場ではそこそこの人気を集めている」と話します。
スズキ「フロンクス」やホンダ「WR-V」など、250万円前後の安いSUVは、いまの日本でもっとも人気のあるカテゴリのひとつです。
国内の日産には該当するSUVが、最安グレードでも308万円(消費税込み)で、デザインも古めかしい「キックス」(北米向けとは異なる従来型)しかありません。
最新のフェイスと装備をまとった“新型”キャッシュカイ グローリーは、新開発モデルを出す余力のない今の日産にとって、最適なモデルではないかと筆者は考えるのです。
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実は中国市場では、エクストレイルや4ドアセダン「シルフィ」なども、先代モデルが「クラシック」シリーズとして新型と併売されています。
低コストだけをウリにすることなく、古い部分は改良して商品力を向上させているこの手法は、日本市場でも通用するような気がします。
日産ではこのほかにも「マグナイト」や「ジューク」など、低価格でよく走るコンパクトSUVが海外市場向けに用意されているにも関わらず、国内に導入されていないという現状があります。
実際導入するとなると、右ハンドル化や先進運転支援機能の追加といった日本市場向けの最適化が必須で、容易な話ではないのはわかります。しかし現状を維持するだけでは、厳しい状況は変わりません。
ならばここで発想の転換を図り、大胆な「販売強化策」へのシフトに期待したいところです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

























































































