トヨタがなぜ新型”磁石”を開発? 電気自動車戦略の隠し玉で有利な戦いへ

トヨタは12年後の2030年を見据え、世界初の新型磁石「省ネオジム耐熱磁石」を開発したと発表。なぜ自動車メーカーのトヨタが磁石を開発したのでしょうか?

EVに欠かせない高性能モーターの材料「ネオジム」大幅削減

 世の中の流れとしては確実にクルマは電気自動車(EV)の方向へ向かっています。

 トヨタ自動車の場合、今から12年後の2030年にはハイブリッド車などのモーターを使う電動車両が550万台以上、電気自動車や燃料電池車(FCV)も100万台以上に達すると予想しているといいます。トヨタ車の販売台数は現在1000万台規模。その半分以上がモーターを使うようになるのです。

トヨタ 4代目プリウスモーター

 世の中に流通しているクルマ全体が電動化に向け動き出すとなると、圧倒的に足りなくなるのが高性能モーターの材料である「ネオジム(Nd)」などのレアアース(希土類元素)です。
 
 覚えている方もいるかもしれませんが、2代目プリウスの時、中国はレアアースの重要性を認識。徹底的な輸出管理を始めました。その途端、レアアースの供給不足に陥り、相場は高騰しました。その後、インドやベトナムなどがレアアース採掘に注力したため、直近では高値ながら安定した相場となっています。

 しかし前述の通り、世界的規模でレアアースの需要が増えたら、明らかに供給不足になってしまいます。トヨタの技術者は「中でも高性能モーター作りに必ず必要となるネオジムは楽観的な予測であっても2025年時点で足りなくなります」と語っています。ここまで読んだ方なら「それならネオジムを使わないモーターにすればいいのでは?」と思う人もいるでしょう。

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