全長4.3m! トヨタの斬新「C-HR」いつ登場? ちょうどいい“立体駐車場サイズ”×美麗「クーペボディ」がカッコイイ! PHEVもある「最新モデル」国内投入はないのか

小型SUV人気の火付け役となったトヨタ「C-HR」は、今は海外向けモデルになってしまいました。再び日本には来ないのでしょうか。

大ヒットした「C-HR」 もう日本には来ないの?

 まだSUV市場の黎明期といえる2016年に、初代モデルがデビューしたコンパクトクロスオーバーSUV トヨタ「C-HR」。
 
 2017年には年間販売台数がSUVナンバーワンとなるなど人気を集めましたが、2023年7月には日本向けの生産を終了しました。

トヨタ「C-HR」欧州仕様
トヨタ「C-HR」欧州仕様

 車体サイズは全長4360mm×全幅1795mmとコンパクトで、FFモデルの全高は1550mmと、一般的なセダン用の機械式立体駐車場に収まる範囲内(4WDモデルの全高は1565mm)。そのうえでポイントは流麗なクーペフォルムとしていることです。

 SUVといえば、現在はステーションワゴンのような形をし、車体サイズの中で最大限に室内空間を広げるパッケージング効率に優れるモデルが主流です。

 しかしC-HRはそうではありませんでした。スポーティで軽快なプロポーションを魅力とし、キャビンの広さは二の次だったのです。

 CH-Rが登場した当時、各自動車メーカーは市民権を得始めたコンパクトSUVのいろんな方向性を模索していました。クーペスタイルのSUVもそのひとつだったのです。

「リフトアップしたスペシャルティカー」ともいえる、室内の広さよりもスタイルを重視したC-HRのパッケージングは大好評となりました。

 その少し前に登場し、同様にクーペのような軽快なフォルムとしたコンパクトSUVの日産「ジューク」も大ヒットしています。

 しかしながら、その後継となるフルモデルチェンジした2代目C-HRは、日本では登場していません。どんな背景があるのでしょうか。

 まず2代目C-HRの概要をチェックしておくと、世界初公開されたのは2023年6月の欧州でした。

 全幅はわずかにワイド化されて1830mmに拡大しましたが、全長は4360mmで初代と同じ(ホイールベースも2640mmで同一)です。プラットフォームも「TNGA-C」と共通なので、車体に関しては初代の“ブラッシュアップ版”といえる設計といえるでしょう。

 プロポーションもクーペスタイルが継承されたもので、デザインはさらにシャープさを増しているのが印象的です。

 パワートレインは1.8リッターエンジン+モーター、そして2リッターエンジン+モーターという2タイプのハイブリッドのほか、2リッターエンジンを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)も用意しています。

 全車ハイブリッド化に伴い、ガソリンエンジンやMTなどは選べなくなってしまいましたが、初代の路線を継承する正統派の後継車といっていいでしょう。これなら、ちょうどいいサイズ感も含めて日本で売ってもおかしくありません。

 しかし現時点では日本での販売も、日本へ導入する予定もありません。その理由は、日本のSUVマーケットの変化です。

 2010年代後半は、日本でも「クーペスタイルSUV」の需要がしっかりあって、だからこそ初代C-HRやジュークが人気モデルとなりました。

 しかし2020年代に入ると、利便性の高いユーティリティ系のSUVが販売の中心となり、対照的にクーペスタイルSUVのマーケットは縮小。

 2022年になると、C-HRはモデル末期とはいえ、国内の年間販売台数がピーク時の1割程度まで落ちてしまったのです。

 そこでトヨタは「ヤリスクロス」や「カローラクロス」など、C-HRに近いサイズのユーティリティ系SUVをデビューさせつつ、国内のC-HR販売を終える選択をしました。

 実は日産も同様の状況です。初代ジュークの後継となる2代目ジュークは海外では販売しているものの、「国内での役割を終えた」として日本には投入していません。

 代わって同じコンパクトサイズでもユーティリティを高めた「キックス」を日本へ導入したのです。

 もしも、日本でクーペスタイルのSUVがトレンドになることがあれば、その時はC-HRやジュークの国内再投入もあるかもしれません。

 ところで、なかにはスズキ「フロンクス」はクーペスタイルなのにどうして国内投入され、人気を博しているのかと疑問に思う人もいることでしょう。それはフロンクスの実車に触れてみれば理解できるはずです。

 たしかにクーペスタイルの軽快なフォルムを持つフロンクスですが、C-HRやジュークとは異なり、後席スペースは広くて実用的。ラゲッジスペースも工夫して容量をしっかり稼いでいるのです。

 ある意味スズキのパッケージングの妙を感じさせるし、もしも将来のC-HRやジュークが「実用性をしっかりと確保したクーペスタイルSUV」に進化すれば、その時は日本投入の可能性も高まるかもしれません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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1件のコメント

  1. CHRを日本で販売しないんですか?
    乗りたい

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