寒い季節になると、多くのドライバーが燃費の悪化を実感することでしょう。
　
　実際、冬季は夏季と比べて燃費が低下する傾向があることがデータからも確認されています。
　
　その要因と燃費を少しでも良くする方法について、ネットでは多くの意見や反響が集まっています。

　まず、冬の燃費悪化の一因として、雪道での走行があります。

　多くのクルマが冬季にスタッドレスタイヤを装着しますが、これらは柔らかいゴム素材でできており、路面との接触面積が増えるために摩擦が大きくなり、燃費に影響を及ぼします。

　また、低い気温も大きな要因です。

　エンジンを暖めるための燃料消費が増えたり、場合によっては出発前に暖機運転が必要になることも燃費低下を招きます。

　公益財団法人省エネルギーセンターの調査によれば、寒冷地では特に燃費の低下が顕著で、温暖地に比べて12月から2月の燃費が30％近く落ち込むことが報告されています。

　対して、温暖地ではその差が約10％にとどまるため、寒冷地特有の環境が燃費に与える影響は無視できません。

　こうした冬特有の燃費悪化を軽減するために、いくつかの工夫が推奨されます。

　まず、暖房使用時のエアコン操作に注意が必要です。

　多くのクルマではエンジンの熱を利用して暖房が動作するため、暖房時に必ずしもエアコン（A／Cスイッチ）をオンにする必要はありません。

　除湿機能が必要な場面を除き、A／Cスイッチをオフにすることで燃費の改善が期待できます。

　さらに、かつては一般的だった暖機運転についても見直しが進んでおり、近年のクルマは技術の進歩によって、エンジンが冷えた状態でもスムーズに走行できるよう設計されているモデルも多く存在します。

　例えば、トヨタの一部車種では説明書に暖機運転が不要と明記されており、アイドリングによる暖機運転を避けてエンジンをかけたらすぐに低速走行を開始する「走行暖機」が推奨されています。

　また、スタッドレスタイヤの空気圧を適切に保つことも重要です。

　タイヤの空気圧が不足していると、転がり抵抗が増加して燃費がさらに悪化する可能性があります。

　そのため、定期的な空気圧の点検を習慣づけることが効果的です。

　同時に、急加速や急ブレーキを控え、一定速度での走行を心がけることで、効率的な燃料消費を実現できます。

　もう1つの有効な方法は、移動の計画を工夫することです。

　短距離の移動を頻繁に繰り返すのではなく、一度にまとめて移動することでエンジンを効率的に稼働させることで、燃料の燃焼を抑えることが可能です。

　このように冬場の燃費悪化は、スタッドレスタイヤの使用や低気温によるエンジン効率の低下など、様々な要因が絡み合っています。

　これらに対してネット上では、「寒冷地住まいですが、冬は燃費が大体10％くらい減ります」「スズキ『アルト』乗りですが、普段はリッター26キロくらいだけど、冬はリッター22キロ前後になる」「雪を融かすために暖気運転多めになるし、冬タイヤは重いし、寒いから駐車中もエンジン掛けっぱなしだし…燃費に関しては諦めています」「雪降るエリアだと仕方ないよね…お金かかるけど」など、多くのユーザーが夏季と冬季の燃費の差を実感しているようです。

　また「クルマのほかにスクーターも乗っているけど、冬は燃費が悪くなりますね」「バイクも一緒」「仕事で使うユンボとかの重機もガソリン減るの早くなるわ」といった、クルマ以外でも寒くなると燃費が悪くなったという声も。

　一方で「燃費はさておき、冬はゴルフへあまり行かなくなるから、給油する回数は減っているかも」「寒いとほぼ家から出かけなくなって、逆にクルマ使わない」など、家にいる時間が増えて、結果ガソリン代自体は夏季よりも安く済んでいるといった意見も見られました。