スバル製「“2人乗り”オープンカー」が楽しそう! 伝統の「水平対向エンジン×4WD」で悪路に強い! ジムニー並の地上高「200mm」を実現した“SUV×オープン”の「スクランブラー」が凄い!
過去に発表されたコンセプトカーの中には、市販化が期待された魅力的なモデルが数多く存在しました。過去にスバルから提案された「B9スクランブラー」も、まさにそんな1台でした。
スバルの「オープンカー」が楽しそう!
2025年1月10日から12日までの3日間、世界最大級のカスタムカーイベント「東京オートサロン2025」が開催されます。
このような自動車イベントでは、自動車メーカーやチューニングショップ各社から、数多くのコンセプトカーが登場して話題を集めます。
なかでも、ユニークさから市販化が期待された1台である、スバルの「B9スクランブラー」について、どのようなモデルだったのかを紹介します。
B9スクランブラーは、スバル(当時は富士重工業)が開発し、2003年の「第37回東京モーターショー」出展した、オープンカーのコンセプトモデルです。
2003年の東京モーターショーにおいてスバルは、「Think. Feel. Drive.」をキーワードに掲げ、同社が理想とする走りのコアテクノロジーであるシンメトリカルAWDや次世代パワーソースなど、スバルならではの“走り”の先進技術を発表。
同時に、イタリアの高級自動車メーカーである「アルファロメオ」から移籍したデザイナー、アンドレアス・ザパティナス氏の率いるデザインチームによって作られた、機能と美しさを極めた次世代デザインの新たなコンセプトカーを2台披露しました。
そしてこの記事で取り上げるB9スクランブラーは、上記のコンセプトカーのうちの1台です。
B9スクランブラーの特徴としては、「オンロード・ラフロードを問わずオープンエアモータリングを楽しみたい」という想いを実現した、2シーターハイブリッド車であること。
ランフラットタイプのタイヤ(空気圧がゼロになっても一定の距離を走れるタイヤ)と、最低地上高を150mmから200mmの間で選択可能なエアサスペンションを採用しているほか、サスペンションにはオートレベライズ機能(乗車人数や荷物の積載量による車高の変化に応じてヘッドライトの光軸を上下させる機能)を搭載していました。
これらの装備によって“悪路に強いオープンカー”に仕上がったB9スクランブラーのボディサイズは、全長4200mm×全幅1880mm×全高1260mmと、コンパクトながらワイドな全幅を備えています。
エクステリアは、フロント部分に丸目のライトを採用し、ジェットエンジンの吸気口と翼の広がりを表現した「スプレッドウイングスグリル」を装着しているのが特徴的。
インテリアは、下半分にグリップのない半月形状のハンドルや、シルバー加飾が各部に施されたセンターコンソールなど、コンセプトカーならではの市販車に見られないデザインでした。
パワートレインには、最高出力140馬力を発揮する2.0リッター水平対向4気筒エンジンを搭載し、シンメトリカルAWDとハイブリッド技術を融合。
このハイブリッドシステムはSSHEV(シーケンシャル・シリーズ・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)と呼ばれるもので、組み合わせた高性能モーターの最高出力は135馬力にも上り、80km/h前後までの実用領域の大部分をモーターのみで駆動することが可能。
これによりB9スクランブラーは、スムーズな加速と優れた燃費性能、環境性能を両立することに成功していました。
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このように、最低地上高の変化が可能なエアサスペンションの採用をはじめとした、悪路への対策が講じられたB9スクランブラー。
オンロード・ラフロードを問わずオープンエアモータリングを楽しめる、珍しいタイプの2シーターオープンカーでしたが、出展から約21年が経過した現在も市販化はされていません。
しかし、「基本的にはモーターで走り、モーターだけでは力不足になる急加速時にエンジンがモーターをアシストする」というハイブリッドシステムは、まさに現在に通じる技術だったと言えます。
2025年1月に開催される東京オートサロン2025でも、スバルから未来を先取ったユニークで魅力的なコンセプトカーが登場するのか、期待が高まります。
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