トヨタ、新型アルファード/ヴェルファイアは顔の変更だけじゃない! 驚くほど多い改良点
予防安全技術を充実させて事故を低減
安全性がさらに高まったのも話題のひとつでしょう。クルマが衝突しないような安全性を予防安全と言います。
これまでも、障害物があれば、ドライバーへ事前にそれを報せたり、ドライバーが気づかない場合には自動でブレーキをかけてくれましたが、クルマにとっての「目」であるミリ波レーザーや単眼カメラの精度が上がりました。
これまでは認識できなかった自転車や夜間の歩行者といった障害物も検知することができるようになったのです。これによって、大幅に事故が減ると予想されます。
驚かされるのは、道の左右に敷かれている白線を認識して、もしクルマが道路を外れそうになるようなことがあれば、自動でハンドル修正してくれる機能(レーン トレーシング アシスト)が加わったことです。
ドライバーがよそ見運転をしていたり、居眠りをしていれば、クルマがガードレールに接触したり道路から落ちることもあります。それを防いでくれるのです。
実際に走らせてみると、コースからはみ出しそうになると危険を報せるブザーが鳴り、それでもドライバーが修正しないと、小刻みにハンドルを動かして助けてくれます。
しかし、これにも限界がありますから、絶対に安全というわけではありません。ですが、いざという時には助かる機能です。
というように、新型アルファードとヴェルファイアは小改良とはいうものの、走行性能と安全性と飛躍的に高めてデビューしたのです。
小改良のマイナーチェンジというより、大幅改良のビックマイナーチェンジというのが正解かもしれませんね。
【了】
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。