クルマの屋根にある「謎のサメのヒレ」が絶対すごい理由とは!? 「邪魔だから撤去」はOK? 「華麗に泳ぐため」じゃなかった!
最近のクルマの屋根を見ると、何か「サメのヒレ」のような物体がついているのが見えます。謎の「サメのヒレ」は一体何のためにあるのでしょうか。
クルマについてる謎のパーツ
最近のクルマの屋根を見ると、何か「サメのヒレ」のような物体がついているのが見えます。
謎の「サメのヒレ」は一体何のためにあるのでしょうか。
その正体は、その見た目のとおり「シャークアンテナ」や「シャークフィンアンテナ」と呼ばれています。また、形の似た哺乳類から「ドルフィンアンテナ」と呼ばれることはあります。
なおサメは魚類ですが、一部の種では卵を産んで受精させるのではなく、メスの胎内で卵をふ化させて育てる、まるで哺乳類のような性質をもつものもいます。
サメがみな獰猛でヒトを襲うわけではなく、たとえば魚類最大と言われる「ジンベエザメ」は、主にプランクトンを栄養源としています。クジラと同じように、丸ごと海水を口に入れて吐き出し、クシのような歯でプランクトンだけこし取って食べています。
さて、クルマのパーツである「シャークフィンアンテナ」の話に戻りますが、かつての「細い金属棒」のアンテナ(ロッドアンテナ)に比べて、様々なメリットがあります。
たとえばいちいち伸ばしたり引っ込めたりする手間がいらず、洗車機や車庫に引っかかったりする危険もありません。また空気抵抗の面でも有利な形状となっています。
ロッドアンテナの派生形で、普段は寝ていて、使用時に起き上がらせる「コンパクトポールアンテナ」もありましたが、シャークフィンアンテナは「起き上がらせる手間」すら無くしました。
それを可能にしたのが、電子基盤による電波増幅技術です。アンテナ棒を伸ばして表面積を稼がなくても、フィン部分だけの受信力で十分になったのです。
それだけではなく、シャークフィンアンテナにはたくさんの技術が詰め込まれています。そのひとつが、カーナビの機能に必須のGPS受信機能です。かつては、新たなテレビ受信グレード「ワンセグ」の電波受信にも使われました。将来的にも、自動運転システムのためのプラットフォームとして、応用が期待されています。
ちなみに、シャークフィンアンテナが初めて採用された例は、2001年に登場したBMW「7シリーズ」とされています。
国産車では2005年、レクサス「IS」が初の事例でした。その後、2014年のスバルの初代「レヴォーグ」など、各メーカーに派生しています。
なお近年、このシャークフィンアンテナが複数備わるものも登場。それが日産「アリア」の上級モデルです。
アリアの上級モデルは先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を採用していますが、これの機能のためにシャークフィンアンテナが2つ備わり、ユニークな見た目をしています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。