日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」がスゴイ! “めちゃ広”室内&「静音」モデルもある「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデルが日本導入される可能性とは

日産の両側スライドドアミニバンといえば「セレナ」ですが、海外には「タウンスター」という小型の両側スライドドア付コンパクトハイトワゴン&ミニバンもあります。日本導入の可能性はあるのでしょうか。

「両側スライドドア」で3列シート版もある「タウンスター“エヴァリア”」

 日産が欧州で販売している両側スライドドア付きの小型バン・ワゴン「タウンスター」シリーズは、コンパクトで使い勝手に優れることから、ぜひとも日本市場にも欲しいところです。
 
 筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)は、このタウンスターが日本導入となる可能性は高いと考えています。

日産の新たなコンパクト「“スライドドア”ワゴン」導入に期待大!
日産の新たなコンパクト「“スライドドア”ワゴン」導入に期待大!

 商用バンおよび乗用ワゴンとして欧州市場で絶大な人気を誇るルノーの「カングー」は、日本市場でもコアな客層に大人気となっているモデルです。最新モデルは国内でも2022年10月に発売されました。

 欧州で販売されている日産の「タウンスター」は、そのカングーの兄弟車です。現行モデルは、ルノー日産三菱アライアンスによるCMF-Cプラットフォームをベースに開発されました。

 全長4488mmの通常版と、ホイールベースを384mm伸ばした全長4910mmのロングボディの2種類があり、ワゴンタイプ(「タウンスター エヴァリア」)は2列シート・5人乗りに加えて、ロングボディの3列シート・7人乗りが設定されています。

 後席は両側スライドドアで、背高で四角く高効率なキャビンレイアウトとともに、乗員と十分な量の荷物を運べる積載性があります。

 通常のハッチゲートもありますが、観音開きタイプの後部ドアなら車両後方への開き幅が小さいので、狭い場所でも背の高い荷物を取り出すことができます。

 パワートレインは、最高出力130hp、最大トルク240Nmを発揮する1.3リッターガソリンターボエンジンや、最高出力122hp、最大トルク245NmのBEV(バッテリーEV:電気自動車/45kWh)などがあります。

 現地でのタウンスターの車両価格は、1.3リッターガソリンモデル(MY24)が2万1825ユーロ(約359万円)から、BEVモデルが3万3995ユーロ(約559万円)からです。

 このタウンスターが日本へ導入される可能性は高いのではないかと筆者が考える理由は、この手の商用バンベースのワゴン・ミニバンは、本来のトランスポーター以外の使い道が無数に考えられ、日本でも高い需要が期待できるためです。

 日産が日本国内で販売しているコンパクトバン「NV200バネット」は、日本国内で年間1万台近く売れ続ける隠れた人気車ですが、デビューは2009年5月ですのでいろいろと古さが目立ちます。

 2024年10月1日には、車中泊を楽しめる新たな仕様のNV200バネット「MY ROOM」を発表するなど特別仕様を施してはいますが、ベースの古さは隠しきれません。

 カングーもタウンスターも、フランス工場生産車ですから、日本導入となると車両輸送費や関税など多くの中間コストが発生し、とんでもない価格になりかねません。

 しかし日本向けのNV200を生産する日産車体 湘南工場を活用して、タウンスターをノックダウン生産するという方法は可能でしょう。

 タウンスターの国内販売には、コストをいかに下げられるかが重要となりそうです。

※ ※ ※

 ちなみにNV200バネット MY ROOMは、1.6リッターガソリンエンジン車(FF)で464万円(消費税込み)と、ベース車両の240万円から比べると大幅な価格アップとなります。

 しかしこの手の趣味性の高いクルマを欲しがる人は少なくなく、こうした特別仕様の生産も見据えつつコストを抑えたタウンスターが登場すれば、一躍人気の小型バンとなると思われます。

 なお欧州では、このタウンスターをベースにしたキャンピングカー仕様も設定されており、さらに新たな需要の開拓もできるでしょう。

 日本導入を大いに期待したいモデルです。

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