真っ暗な道でも気付かず走る「無灯火走行車」が減らない理由

自動車による死亡事故が1日の中で最も高くなるのが日没前後の時間帯といわれています。暗くても視界を確保するために点けるヘッドライトですが、夜間走行時にもかかわらず無灯火のクルマが多くなっていると問題になっています。

昼間でも常に光るメーターの増加が要因か

「すでに暗くなった夜道で、今日も無灯火で普通に走っている危険なクルマに出くわした」、と取材帰りの編集部員が話していました。しかし、なぜ真っ暗な夜の道路を無灯火でしかも気が付かず走行できてしまうのでしょうか。

 同じような危険なクルマを見かけたと話す自動車ジャーナリストの方々数名に、この件を伺ったところ、「自発光式速度計(自発式メーター)が増えたことが要因にある」といいます。

ライトOFF時でも自発式メーターが点灯する(ホンダ オデッセイ 2003年モデル)

 確かに一昔前までのクルマは、ヘッドライトもしくは車幅灯(スモールライト)とメーターの照明が連動しているタイプがほとんどでした。

 このため夜間にライトを点灯していないと、メーターやその他の操作スイッチ類など、真っ暗のままだったので気がつくことができたといいます。

 近年のクルマは昼間でも自発式メーターや液晶メーターが光っていることから、“うっかり無灯火”が増えているといいます。

 しかし、無灯火による事故を起こしてからでは“うっかり”では済まされません。無灯火走行はれっきとした道路交通法違反で、違反点数1点、反則金は大型車で7000円、普通車・二輪車で6000円、そして小型特殊車と原付でも5000円が罰せられます。

 無灯火走行は当の本人よりも、周りのクルマや自転車、歩行者が一番迷惑を被っています。自分は見えるからでは無く、ライトを点灯させることで周囲のクルマや歩行者などへ自車の存在を早期に認識してもらうためと考えていただきたいものです。

ヘッドライトを点けるタイミング、どこで判断されてますか?

ライト点灯調査※出展:JAF

 道路交通法第52条第1項に「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても、同様とする」と書かれています。

 前照灯とはヘッドライト、車幅灯はスモールライト、尾灯とは車体後部のテールライトを指します。

 では、“日没”とはどの状態の事をいうのでしょうか。国立天文台によると、「太陽の上弦が地平線に接したとき」が日没とのことです。

 実はこの夕暮れ時の事故が最も高いことがわかっています。まだ明るいと感じても歩行者や自転車からはクルマを認識しづらかったりします。

 日没後、まだ明るい状態であっても、ヘッドライトの点灯は道路交通法で決まっているのです。

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