「もう…セダンはオワコンなの?」 街中で見る機会は減った…なぜ? 「スカイライン」は次期型登場か 今後「生き残るために重要」なコトとは

いま「あえてセダンを選ぶ理由があるか?」 唯一残ると思える要素とは

 そんな中、「あえてセダンを選ぶ理由があるか?」と問われると、悩ましいのも事実です。

 では、このままセダンは本当にオワコンになってしまうのでしょうか。

 筆者(山本シンヤ)は“普通”のセダンは淘汰される可能性が高いと思っていますが、“普通ではない”セダン、つまり「スポーツセダン」のようなモデルは残ると信じています。

 その根拠は「基本素性」の高さです。

 確かに最新のクロスオーバーSUVやミニバンはロールを上手にコントロールして常用域では十分な走りを見せますが、そこから先の領域となると、話が変わってきます。

 と言っても、最近では高性能なパワートレイン搭載のクロスオーバーSUVが各社から次々と登場、そのパフォーマンスには正直驚かされます。

 恐らくサーキット“も”走れると思いますが、サーキット“が”走れるかどうかと言われると、どうでしょう。

 残念ながら、その領域になると「物理の法則」に逆らう事はできず、基本素性の優れるセダンの強みが出てきます。

 要するにスポーツセダンの魅力はスポーツカーの「性能」とセダンの「実用性」を高い次元で両立でしょう。

 居住性はクロスオーバーSUVやミニバンと比べれば劣るものの、リアルなスポーツカーと比べると十分以上の広さで、逆に実用性は高いと言えます。

 複数のクルマを所有できれば、用途に合わせて特化したモデルを選べばOKですが、現実ではそれができる人は限られています。

 それを踏まえると「一粒で二度おいしい」マルチな性能を持ったモデルが必要であり、その選択肢の1つがスポーツセダンなのです。

「一粒で二度おいしい」マルチな性能を持ったモデルのひとつがスバル「WRX S4」
「一粒で二度おいしい」マルチな性能を持ったモデルのひとつがスバル「WRX S4」

 ちなみに上記の日本車セダンの中だと、レクサスIS500、日産スカイライン400R、スバルWRX S4がそれにあたります。

 ただ、スポーツセダンはベースとなるセダンが無いと成り立ちません。

 つまり魅力あるセダンの登場こそが、未来のスポーツセダンの重要なカギだと思っています。

 ちなみに海外に目を向けると、ジャーマン3をはじめとする主要自動車メーカーは、このご時世でもセダンをシッカリとラインアップ、当然それをベースにしたスポーツセダンが用意されています。

 なぜ、海外メーカーはできて日本のメーカーはできないのか。その辺りも考えていく必要がありそうです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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5件のコメント

  1. 30数年前のワゴンブームの際はトヨタはブームは直ぐに終わるとセダン推しだったのが今やワゴン、SUVが主流のメーカーに。クラウンのグローバル展開もセダンでは勝負にならないと言うのが本音だろう。内燃機関以外の動力になればボディー形態はどうでも良いのかも。

  2. 素人のサーキットユースならハッチバックでも十分、ハッチバックなら日常使いにも便利だし物によってはレース仕様も販売されてる。車格も様々あるし。
    サーキットではスポーツカー(クーペ)>セダン>ハッチバックみたいなヒエラルキーがあるかもしれないが、それで言ってもセダン=サーキットとはならない。サーキット走行をしたいならスポーツカーを買えばいいだけ。

    個人的にはセダンは好きだしクラウン(18・20)とスカイラインはいつまでも自分の中の高嶺の花だけど、自分が必要としてる車がセダンかと言えばそれは違う。

    結局淘汰されていく。と言うより現行クラウンの大幅なデザイン変更、あれで既に自滅的淘汰が始まったと個人的には思う。
    時代が変わればセダンのデザインも変わってくけど、最新のセダンは自分の思い描いてる理想のセダンからかけ離れすぎてる。
    若者の車離れがーと言われてる現在、セダンに奇をてらった様なオラオラデザインが必要なのか?セダンこそシンプルな高級感が残っててもいいと思うのだが…。

  3. 昔の流れはカローラに始まり、ビスタ〜マークII〜クラウンと最後はクラウンに乗りたい。
    だったけど、今はセダン系は落ちぶれたから…
    あの価格だとそれなりのワンボックスも買えるし、ワザワザセダン系を選ぶ人は少ない。
    だものメーカーだってさほど売れない車種には力を入れない。
    潤沢な資金のあるTOYOTAでさえ以前のような遊び心のある車種は出さなくなったのが良い例。

  4. 基本素性の高さとか、小難しくいえばそれもあるのかもしれないけれど、結局1個人のセダン好きからすれば、あえてそれを選ぶ理由は、デザインの流麗さだったり、佇まいに気品がある一方、スポーティさも出せる万能選手だから。
    セダン人気がないというのは、そういう売り方をしてくれていないように見えるし、かっこよくてお値段的に手が出るセダンが市場に無いからじゃないかと感じる。
    それに、SUVならいっぱい荷物積めますって言うけど、皆さんそれをフル活用するほど、物を載せること、どれだけありますかって思ってしまう。
    普通の買い物程度ならなんの苦もなく荷物載るし、
    それなら、荷室と居室が別れているセダンがいいじゃない。
    ドイツ系のセダンは今も沢山走ってるのに、国産セダンが選ばれないのは、やはりメーカー自身が、セダンは不人気という(事実もたしかにあるけど、その)前提のもと、SUVブームにばかり視点がいっているからなんじゃないのかなぁ……と思ってしまう。
    結論、国産車セダンの車種、選択肢が無さすぎて寂しいのです。
    道幅の狭い日本なんだから、決して車は大きくなくていい。小さくてもかっこよく、美しく、それでいて基本のキであり、乗って愉しいセダンがいつか復権しますように…。

  5. SUVもある意味ブームなのでそのうちまたセダンのニーズも増えてくるかと…
    でも、その時にラインナップがあるかと言えば…
    消えているかも

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